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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第211回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 11月22日~11月28日

要件定義をAIが支援し「工数を半分以上削減」7割超/“日本独自のAI推進モデル”が判明/AIセキュリティ導入の課題、ほか

2025年12月01日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2025年11月22日~11月28日)は、システム開発の要件定義におけるAI活用の成果と課題、CDO(最高デジタル/データ責任者)がAI推進を主導する“日本独自モデル”、拡大するサイバー侵害の被害影響、ランサムウェア対策における「組織連携」の推奨、高い評価を受ける日本企業のAI成熟度、についてのデータを紹介します。

[AI][システム開発] 要件定義でのAI活用、最大のメリットは「未経験者の支援」。「工数を半分以上削減」が7割超(ROUTE06、11月25日)
・上場SIerの部長職、約9割が「AI活用は今後の要件定義に不可欠」と回答
・要件定義にAIを導入済みの企業では、7割超が「工数を半分以上削減」
・要件定義におけるAI活用、不安/障壁は「セキュリティリスク」との回答が最多

 上場SIerとITベンダーの部長職を対象に、システム開発の「要件定義」におけるAI活用実態を調査した。要件定義におけるAI活用に期待する効果としては「工数削減」(51.4%)が最多だったが、要件定義にAIを導入済みの企業(PoC段階を含む)が実感する効果としては「未経験者の支援」(62.6%)が最多に。一方、不安に感じる点は「セキュリティリスク」(48.6%)を筆頭に、「著作権・学習元不透明」(46.2%)、「社内ノウハウ不足・教育コスト高」(43.7%)がトップ3。導入の障壁としては「セキュリティリスク」(52.0%)に続いて、「成果物品質担保」(41.5%)、「属人化業務が多くAIへの落とし込みが困難」(40.0%)などが挙がっている。なお、導入済み企業では、49.6%が要件定義業務の工数を「5割前後(半分ほど)削減」、また24.4%が「8割以上(大幅に)削減」できているという。

 ⇒ 要件定義にAIを導入している企業の多くが「未経験者の支援」や「品質の均一化」での効果を感じているという結果。「エンジニアの属人化解消」や「レガシーシステム刷新の突破口になる」という声も。

要件定義におけるAI活用に「期待する効果」(緑)、導入済み企業が「実感した効果」(青)(出典:ROUTE06)

AI導入済み企業における要件定義の工数削減効果。「5割前後」「8割以上」の合計で7割を超える(出典:ROUTE06)

要件定義においてAI導入の障壁となる要因。「セキュリティリスク」のほか「成果物の品質担保」「属人化業務のAIへの落とし込み」といったハードルも(出典:ROUTE06)

[AI][経営] 国内上場企業のCAIO(最高AI責任者)設置率は4%、CDOとの兼務が「日本型AI推進モデル」に(CDO Club Japan、11月27日)
・CAIO(最高AI責任者)の設置率、国内の一般上場企業では4%にとどまる
・4割の企業では、AI推進の主責任者をCDO(最高デジタル/データ責任者)が兼務
・CDOが主導する「日本型のAI推進モデル」の姿が明確に

 デジタル分野の経営陣コミュニティCDO Clubが、会員企業および一般上場企業を対象に調査した。AI推進をリードする専任のCAIOを設置する企業はわずか4%、CDOがその役割を兼務する企業が41%に上り、“CDO兼CAIO”という「日本独自のAI推進モデル」が明確になった。一方、AIを「DX戦略の一部として扱う」企業は66.6%であり、AIがCDOによる変革の“中核的なドライバー”になっている状況も浮き彫りになっている。

 ⇒ 専任のCAIOは設けず、CDOがそれを兼務するという日本独自のモデルが確立されつつあるとのこと。自社においてAIをどう位置付けるのか、経営層の意識の表れでしょうか。

国内企業のCAIO設置率は4%にとどまる。CDOが兼務するケースが最多の40%(出典:CDO Club Japan)

CDOが担うAI関連の職務。これらは本来CAIOが統括する領域だが、CDOが代行している(出典:CDO Club Japan)

AIを「DX戦略の一部」と位置付ける企業が3分の2を締める(出典:CDO Club Japan)

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