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ゆるっと知見を深める楽しい会「TECH.ASCII ゆるっとナイト」 第3回

TECH.ASCIIが“濃い”FileMakerファンの皆さんと「ゆるっとナイト#1」を開催しました

30年使い込んでも、まだまだ楽しい名ソフト なぜ人々は「FileMaker」を愛する?

2025年09月10日 12時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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エピソードトークガチャで、思い思いに“FileMaker愛”を語る

 この日のメインコンテンツは、FileMakerにまつわる「エピソードトークガチャ」でした。冒頭に写真を載せた巨大ガラポンは、このために用意されたもの。皆さんがその場で1回ずつガラポンを回し、出たボールの色で話すテーマ(5種類)が決まるルールです。なので皆さん、前準備なしの“ぶっつけトーク”です。

 端から見ていて「結構な無茶ぶりをするなあ……」と思ったのですが、さすが長年にわたってFileMakerに携わってこられた皆さんだけに、エピソードも豊富にお持ちのようです。それぞれ、興味深いトークを展開されていました。

エピソードのテーマは5つ、ガラポンで出たボールの色で決まります

つまりガラポンを使った“トーク無茶ぶりシステム”です

 たとえば、「さすがFileMaker」というテーマを引いたながにぃさんは、服飾系のお店を経営されているお客さんへの開発サポートの話をされました。そのお客さんは「パソコンがあまり得意ではない」そうですが、FileMakerを何年も使ううちに「あれもやりたい、これもやりたい」と意欲がわき、バーコードでの商品管理や、来店客向けの会計ディスプレイなどもどんどん作ってしまったそうです。

 「このお客さんのように、パッションがあれば、FileMakerってものすごく生きてくるんだなと実感しています」(ながにぃさん)

 また、同じく「さすがFileMaker」のテーマを引いたsakiさんは、中小企業を中心にAIの研修を展開する中で、あらためてFileMakerの利便性に対する注目が集まっている話をしました。最新のAIコーディングを知った企業の多くが、「これまで多額のコストをかけて外注していた業務アプリケーションを、自社で作れるのでは」と期待をふくらませるものの、結局は開発スキルのない企業では実現が難しい。より良い代替案を探していたところ、FileMakerに行き着いたというストーリーです。

 「生成AIがコードを書いても、彼らにとっては“呪文”のようなものでよく分からない。一方で、FileMakerならこんなに簡単にアプリが作れるのかと、喜びの声がありました。いまは、FileMakerが『思ったよりも使えそうだ』という手応えをつかみ始めている状況です。自主的に勉強し始めている人も出てきているようなので、これからが楽しみです」(sakiさん)

 そのほかにも、勤務する学校で20年前に1つのアプリからFileMakerの開発をスタートし、現在では生徒の入試から卒業までを一貫して管理するシステムにまで成長させた話(Onomaさん)、文系出身で「変数」や「引数」などのプログラミング概念に抵抗があったものの、FileMakerを学んでそれが克服できたという話(あきちゃんさん)など、参加者の皆さんはそれぞれの“FileMaker愛”を熱く語りました。

 ちなみに「ここが困るよFileMaker」というトークテーマもあり、困った話も皆さんの共感を呼んでいたのですが(「新機能を大々的に発表するが、実際に使えるようになるまで時間がかかる」「生成AIによるアプリ開発との親和性が低い」など)、そういうダメ出しも“愛あればこそ”ですよね。

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