目視検査はもう古い?“ホログラム計測”が工場の常識を変える
日本ブランドを支える「見えない力」
日本の製造業は「もう落ち目」と言われがちだ。でも正直、まだ「Made in Japan」って聞くとホッとする。その安心感を支えているのが“検品”だ。どんなに革新的な素材や構造を発明しても、それを正確に測定・検査できなければ、研究室に眠ったままになる。そこに挑んでいるのが、兵庫県立大学発研究開発型スタートアップ、株式会社Holowayだ。
「波」を見る技術? デジタルホログラフィって何者
Holowayの武器は、独自の「デジタルホログラフィ」技術。これは光の“波動”情報をデジタルで解析し、物体の3D形状をナノレベルで一発測定できるというもの。従来の顕微鏡や接触式のセンサーでは、広い面積を一度に測ったり、触れずに立体的な形を正確に測定したりするのは難しかった。
Holowayのデジタルホログラフィ技術は、そうした課題を一気に解決する。光の波を利用して、物体の3次元形状をワンショットで非接触・高精度に測定できるため、作業のスピードと信頼性が大きく向上するのだ。
例えば、ナノ単位の正確さが求められる半導体の表面検査や、歪みの少ない宇宙用ミラーの製造など、従来技術では難しかった現場で活用が始まっている。2025年7月にはシリーズAで約5.2億円の資金調達も実施。プロダクト開発とグローバル展開に本腰を入れている。
ホログラムは「魅せる」から「測る」技術へ
これまで「ホログラム」といえば、SF映画や展示会での映像演出など「なんかすごいけど、使いどころがわからない」技術の代表格だった。Holowayは、それを「計測」という超実務的な世界で開花させた。「あのホログラムが、こんなに“地に足のついた技術”として活躍しているなんて」と、ちょっとホロリとしてしまった。



















































