寒冷地のためにバッテリーが温められるよう進化した
シール(SEAL)から進化した点として、バッテリーを温める機能が設けられたとのこと。寒冷地で充電する際に、より多くの電力が蓄えられるようになった。センターにはエアコンの吹き出し口のほか、シートヒーター、そしてUSB Type-Cのサービスレセプタクルが用意されていた。
運転席も「これで本当に495万円?」と何度もプライスリストを見直したほどの上質空間。しっかり電動パワーシートだし、センターディスプレイだって大きい。メーターパネルはフル液晶だし、ステアリングの質感もシットリとした手触りだ。
そのメーターパネルの画面だが、字が小さいうえに、アイコンが何を意味しているのか、パッと見た際に分かりづらい印象。正直、老眼には辛かった……。
大型モデルということもあり、センターコンソールの幅はかなり広め。驚いたのはスマホトレイで、ワイヤレス充電の出力50Wもさることながら、充電中のスマホを冷やすためのクーリングファンが設けられているのだ。さすがバッテリー屋だと感心した。
そしてドリンクホルダーは、なんと深さが変えられるようになっているのだ。これはほかのメーカーも見習ってほしいところ。
一方、使いづらいのがUSBまわり。Type-Aは車両との接続用、Type-Cは充電用なのだが、センターコンソールの下段の奥まった場所に、しかもType-Aであるから、年老いた体ではケーブルを差し込むのに一苦労。もっとも一度ケーブルを差し込んだら、あとはつなげっぱなしだからいい、という割り切りなのだろう。
ナビやオーディオはもちろんのこと、エアコン操作、チャイルドロックの施錠/解錠や各種シート機能の操作、窓やガラスルーフのシェードの開閉まで、すべて15.6インチのタッチディスプレイで行なう。驚いたのはアニメーションがグリグリ動くこと。担当者によると、アンドロイド端末ではおなじみ、クアルコムの「Snapdragon 8155」(クルマ用SoC)を採用しているという。
画面上で指をなぞるだけで、グラスルーフ越しに青空が見えるのは感動したものの、「その操作をしている間、ナビが見えないんだけど」とも。エアコン操作も同様だ。ボタンを少なくすれば、コストは安くなるのは理解できても、エアコン操作くらいはボタン式の方がいいような気がした。
ディスプレイは縦方向にも回転可能。ナビを観るなら、こちらの方が使いやすいだろう。
フロントボンネットを開けると、まるでポルシェ911のような収納スペースが姿を現わした。
まだ粗い部分もある走行性能
今後のアップデートに期待
走行モードは雪、エコ、ノーマル、スポーツの4種類。さらにメニュー画面からパワステの応力とブレーキのフィール、そして回生量の調整もできる。シンプルに2段階なのは好印象。確かにすべてわかりやすい変化であった。
モーター最高出力312馬力、最大トルク38.7kgf・mというスペック通り、EVらしい瞬発力で車体を引っ張っていく。回生量スタンダードを選んでいれば、アクセルオフにしても強い回生(急減速)しないので、普通の自動車の感覚で走れる。
ただ、峠の下りなど強めにブレーキを踏んだ際、油圧ブレーキと回生ブレーキの協調に違和感を覚える場面があったり、赤信号などで完全停止する際に少しブレーキを抜いてもカックンになりやすいように感じた。とはいえ、これらは重箱の隅をつつくような話で、ソフトウェア制御で直りそうだ。
だが、ソフトウェアで直らない部分もある。足が柔らかいのに、路面の凹凸による突き上げが強いのだ。ブレーキをかけると盛大にノーズダイブするにも関わらず、コーナーではロール量が少ないことから、おそらくバネは柔らかくスタビライザーは固めのセッティングで、ダンパーが振動を吸収しきれていないのだろう。
この挙動はシール(セダン)でもドルフィン(SUV)でも感じた。また、高速道路の車線維持が他社の同機能と比べて弱い印象も受けた。中国の道は日本よりも整備され綺麗なのかもしれない。
しかし前述のとおり、ほかの部分のデキがイイのも事実。なにより同クラスのEVと比べると安い! 「ありかも、BYD!」という言葉に頷きつつも、なぜか焦りを覚えた。

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