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バイクなのに「バックできる」電動3輪がちょうどいい感じ

特集
未来を変える科学技術を追え!大学発の地味推しテック

「車はいらない」から「ちょっとの移動がつらい」へ

 都市に住んでいると、「車なんていらない」と思っていた。電車もバスもあるし、買い物も近所で済む。けれど年齢を重ねるにつれ、遠くのスーパーまで行くのが面倒になったり、重たい荷物を持ち帰るのがつらくなったりと、「ちょっとだけの移動」が意外としんどくなってきた。

 そこで最近気になっているのが、電動の小型モビリティ。電動キックボードやモペットは転びそうで怖いし、荷物もあまり載せられない。理想を言えば、ピザの配達などでおなじみのホンダ・ジャイロキャノピーのような3輪バイクで、ちょっとカッコ可愛いのがいい。

東海大発スタートアップの3輪電動バイク

 そんな中で見つけたのが、東海大学発のスタートアップ、株式会社日本エレクトライクの3輪モビリティである。同社は軽トラのような電動3輪自動車と、前2輪タイプの電動バイクを開発しており、どちらも家庭用100Vコンセントで充電が可能。特別な設備は必要なく、家のコンセントから気軽にエネルギーチャージできるのがうれしい。

「スイングスポーツType-I」(価格:58万3000円、送料・登録費用別途)

普通免許で乗れて、後退ギアつき

 気になっているのは、前2輪タイプの電動バイクのほう。見た目はバイクだが、普通自動車免許で運転でき、二輪免許は不要。さらに、電動ならではの「後退ギア」も搭載されていて、駐輪場や狭い路地でも楽に取り回せる。

 紹介動画の20秒あたりをぜひ見ていただきたい。同社の会長が駐車場から出しているシーンを見て、「乗ったままバックできるなんて!」とちょっと感動した。

中高年にこそ“3輪”という安心感

 中高年にうれしいのはやはり“3輪”という構造だ。2輪よりもふらつきにくく、4輪よりも小回りが利く。停止時の安定感があり、荷物を積んでも倒れにくいので、買い物の足として実にちょうどいい。

電動化の流れと“ちょい乗りニーズ”にちょうどいい

 ちなみに、2025年10月からは国の新しい排ガス規制(EURO5相当)が段階的に始まり、従来のガソリンバイクの新車販売は難しくなる。今後は“電動バイク”が主流になっていくのは確実だ。

 環境省によれば、日本の一人暮らし世帯の約4割が60歳以上で、高齢化とともに「ちょい乗りニーズ」は確実に増えていく。そんな今だからこそ、エレクトライクのような“ちょうどいい移動手段”は価値がある。

 音が静かで、排気ガスも出ない。日々の生活の足としても、環境へのやさしさとしても、「バイクだけど3輪で、免許も取り直さなくてOK」というのは、想像以上にちょうどいいのだ。

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