【ミニバン対決4 荷室の利便性】
使い勝手のヴェルファイア、シートが取り外せるVクラス
次は室内について。Vクラス(V220d)、ヴェルファイアとも、3列目シートを使った状態だと荷室はそれほど広くはない。だが、Vクラスはロング、エクストラロングと上位グレードになるに従って荷室容量が増える。3列シートを使いながら荷室も使う、という人はVクラスがオススメだ。
だが、3列目をたたんで荷室を増やしたいとなると、話が変わってくる。ヴェルファイアの3列目シートは側面に跳ね上げるだけで簡単にたためるのだが、Vクラスはシートをまるごと2列目側に倒す構造で、実際に作業するとかなり大変だった。
さらに3列目シートは取り外し可能らしいのだが、気力と体力と時間がなく断念した。そもそも取り外した3列目をどこに保管するのか、という話もある。よって個人的には「荷物を多く積むことを考えるならアルファード、人を載せるのがメインならVクラス」であると感じた。
【ミニバン対決5 車内空間】
使い勝手のヴェルファイア、シートが取り外せるVクラス
外観と同じく、マッシヴ感を覚えるヴェルファイアに対し、メルセデスはスマートという印象。最大の違いはヴェルファイアは大型センターコンソールによってコクピット感が強いのに対し、Vクラスは国産ミニバンで多く見かけるシートにアームレストを付けるタイプで解放感がある点。
また、ヴェルファイアはセンターにシフトモードセレクターを置くが、Vクラスはステアリングコラムにセレクターを置くため、センターコンソールにはインフォテインメントディスプレイの操作用タッチパッドが置かれている。ヴァルファイヤはスマホ操作に慣れていれば使いやすく、画面をあまり注視せずに操作できるという点ではVクラスが勝る。
2列目シートはどちらもラグジュアリー。オットマンもあり快適そのものだ。シートの素材は価格差ゆえVクラスのプレミアムスイートが上回るが、ヴェルファイアとて負けてはいない。
【ミニバン対決5 乗り心地の良さ】
フットワークのよいVクラス、重厚なヴェルファイア
走りの面では、2台の印象は正反対といえる。どちらも快適なのだが、ハンドリングが軽快なのは意外にもメルセデスであった。一方、ヴェルファイアは安心感が得られる操作感。それは静粛性にも表れており、ヴェルファイアの方が静粛に感じた。だが、メルセデスもスピードレンジを上げてくるとシットリとした乗り味で、こちらも好印象であった。
【ミニバン対決 結論】
コスパの良さが光るトヨタ、オーラが漂うメルセデス
価格差があるがゆえ、トヨタは不利かと思ったが大健闘といえる内容だった。一方、メルセデスは期待を裏切らない質感の高さを見せつけた。特にプレミアムスイートはさすがのデキ栄えだ。
さて、どちらを選ぶか? となると、筆者は「3列目の使用頻度」によると感じた。大家族での移動が多く、3列目を多用するならVクラス、あまり3列目を使わない代わりに、荷物を載せたいという方はヴェルファイア(アルファード)をオススメしたい。

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