このページの本文へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第916回

小型コンデジ「Powershot V1」で超広角猫撮影を楽しむ

2025年04月18日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
キヤノン

ネコジャラシに飛び付いた瞬間を超広角で。遠近が強く出て迫力あるけど。2025年4月 キヤノン Powqershot V1

キヤノン「Powershot V1」で
猫を撮るなら超広角がおもしろい!

 今週の猫撮り新製品はコンパクトデジカメ。今までハイエンドコンデジといえば1型センサー搭載機がメインだったけど、キヤノンから発表された「Powershot V1」はその2倍の面積を持つ1.4型センサー搭載なのだ。

 なぜ1.4型だと面積が2倍なのかというと、1型、2型というのはセンサーの対角線の長さを基準としており、対角線が√2倍になれば面積は2倍になるわけで、1.4ってのはおよそ√2だからだ。

 まあ、型番が「Video」や「Vlog」の頭文字である「V1」だし、製品にウインドスクリーン(通称「もふもふ」)がついてくるのが1.4型センサーのコンパクトデジカメとなれば、猫を撮るにも魅力的なのである。

 ただ、猫の写真を撮るときは「もふもふ」は付けない方がいいね。猫にこんな風に遊ばれちゃう。

キヤノン

コンパクトで音声収録用のもふもふを装着したPowershot V1。猫と一緒に撮ろうと思ったら、もふもふがおいきなり襲われてしまった。猫を撮るときは気をつけよう

 このPowershot V1、16-50mm相当の超広角系ズームレンズ搭載なので、近くで撮れる猫(飼い猫とか)用なのだけど、広角ならではの面白さもある。

 一番は遠近がめっちゃ強く出ること。カメラを近づけるほど遠近は極端に出るので猫との関係性が大事になるけど、足から撮ると顔がかなり小さく写る。

キヤノン

わざと足元から遠近が強調される構図で狙ってみた。顔が遠くて面白い。2025年4月 キヤノン Powqershot V1

 逆に顔を手前に撮ると身体が細くなる。

キヤノン

顔を手前にすると身体が細くしゅっと伸びてるように。ちなみにこのチャトラの「カスター」は人なれしててなでさせてくれました。2025年4月 キヤノン Powqershot V1

 そしてカメラが近づくと面白いポーズをしたりするのである。

キヤノン

これはそこまで広角じゃないけど、カメラを向けた途端にこんなポーズをしてくれたので。前足が可愛いぞをい。2025年4月 キヤノン Powqershot V1

 続いて、超広角の面白さは背景を広く撮れること。自宅だと背景に良からぬものが写って困ったりするけど、背景が写ってもOKな場所だとこんな風に全貌を楽しめるのだ(いつもの「保護猫シェルター QUEUE」です)。

 このキャットタワーの猫ベッド、天井スレスレの場所にあり、モニターを開いて腕を思いきり上に伸ばして撮影。フォーカスは猫瞳AFさんよろしくって感じで。

キヤノン

天井スレスレまで腕を伸ばして上から全体を俯瞰。あえて上から撮ることで奥行きをより強調でき、高い場所にいる感も醸し出せるのだ。2025年4月 キヤノン Powqershot V1

 そして超広角が楽しいのは猫と遊ぶとき。今回の主役は「カスター」と名前がついてたチャトラ。おもちゃへの食いつきがすごくよかったのだ。

 超広角だと近距離で撮れてぐわっと飛び付いてきたときの絵に迫力も出るので左手で遊びながら右手で撮ったのが冒頭の1枚。背景のボケもほどよいし、飛び付いた瞬間だけどフォーカスは目に合ってるし、いいタイミングで撮れてるし、遠近が強く出るので床が実際より遠く見えるのもいい。

 もう1枚。猫が大きくぐわっと動いても、フレームからはみ出しにくいのも超広角の良さ。実際には左前足がベッドから離れていないのだけど、まるでジャンプしたように見える。広角マジックだ。

キヤノン

超広角だと多少猫が派手に動いてもフレームアウトしないので、安心して遊びながら撮れるのだ。右前足で上手に捕まえてるのがよくわかる。2025年4月 キヤノン Powqershot V1

 最後は広角ではないけど(40mm相当くらい)、コンパクトデジカメならではの寄った写真を。身体がぼけてて顔だけがでかくせまっってて面白かったので。

キヤノン

まだあまり人なれしてないキジトラ。カメラを持って腕を伸ばしたら「なんだなんだ?」って顔で近づいてくれたのだった。2025年4月 キヤノン Powqershot V1

 実のところ、Powershot V1って望遠に弱いので猫撮りにはあまり向かないかなと思ったけど、なんのなんの。ぐっと近寄れる猫なら超広角ならでは距離感が楽しい写真を撮れるのだった。

 あと、やっぱデジタル一眼よりこういうコンパクトカメラの方が猫が警戒しないのもよいですわ。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

  • 角川アスキー総合研究所

プレミアム実機レビュー

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン