北海道旅客鉄道(JR北海道)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は10月29日、2024年度冬季版「北海道&東日本パス」を11月26日より販売すると発表した。両社の普通・快速列車などが7日間乗り放題で、価格は大人1万1330円(小児5660円)。有効期間は利用可能期間中の連続する7日間だ。
どちらがおトク?北海道&東日本パスと青春18きっぷ
北海道&東日本パスの概要は以下のとおり。基本的には「青春18きっぷ」のエリア限定版というイメージだ。
販売期間:2024年11月26日~2025年1月4日
利用可能期間:2024年12月10日~2025年1月10日
有効期間:利用可能期間内の連続する7日間
価格:大人 1万1330円/小児 5660円
乗り放題となる路線・列車等:
・JR北海道、JR東日本、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行の普通および快速列車の普通車自由席
・JR東日本のBRT
特例で特急列車の普通車自由席を利用可能な区間:
・石勝線:新得駅~新夕張駅間
・室蘭本線:東室蘭駅~室蘭駅間
・奥羽本線:青森駅〜新青森駅(快速列車の普通車指定席の空席も利用可能)
販売期間が一部重複する2024年冬季版の「青春18きっぷ」との主な違いは、利用可能なエリア、価格、有効期間の3点となる。どちらの切符も一長一短のため、自分の使い方にあわせて、よりおトクになる方を選んでみよう。
●利用可能なエリア
北海道&東日本パスは北海道・東日本エリア限定だが、青春18きっぷはJR北海道からJR九州まで、全国のJR各社で利用可能。単純なカバーエリアの広さという点では、青春18きっぷに分がある。
一方、北海道&東日本パスは青春18きっぷでは利用できない北越急行や、同じく通過利用限定の青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道も乗り放題の対象で、途中下車もできる。東日本エリアの自由度に関しては北海道&東日本パスの方が有利だ。
青函区間の扱いについても、青春18きっぷは別途オプション券を購入して北海道新幹線の新青森駅〜木古内駅間と道南いさりび鉄道を乗り継ぐ形となるが、北海道&東日本パスは特定特急券の追加購入により、新青森駅〜新函館北斗駅間を北海道新幹線のみで走破可能。青函区間の移動は北海道&東日本パスの方がスムーズだ。
●価格と有効期間
青春18きっぷの価格は有効期間連続3日間のタイプが1万円、同5日間タイプが1万2050円。北海道&東日本パスは連続7日間タイプのみで大人1万1330円なので、青春18きっぷの3日間用より高く、同5日間用より安い金額に設定されている。
北海道&東日本パスのエリア内で完結する旅程で比較すると、大人だけで連続3日以内の利用なら、青春18切符(3日間用)が有利。連続4〜7日間の行程では北海道&東日本パスの方が有利だ。
また、3日以内の行程であっても、家族旅行など小学生以下の子どもと一緒に利用する場合、小児料金が設定されている分、北海道&東日本パスの方が支払い総額は安く済む。先に触れた青函区間の通過のしやすさも含め、北海道&東日本パスは家族旅行にも適した切符といえそうだ。