久しぶりに三菱自動車らしい車が登場した、と言ったら怒られるでしょうか? モデル兼タレントのあらた唯さんとともに、三菱自のピックアップトラック「新型トライトン」の魅力をお伝えします。
実は三菱の屋台骨を支えるトライトン
トライトンは東南アジアやオーストラリア、中南米を中心に世界150ヵ国で、年間約20万台を販売する三菱自動車のグローバルモデル。三菱自動車の世界生産台数が約100万台なので、同社を支える屋台骨と言っても過言ではありません。
メーカー担当者によると、東南アジアをはじめとする国々で支持される理由は、タフネスさと四駆技術による高い走破性なのだとか。道なき道を走り、人々の生活を支える。それがトライトンなのです。
そんなトライトンの国内導入は約12年ぶりのこと。「日本で東南アジアのようなタフロードを走行することないし、そもそもピックアップトラックは走ってないだろ」と思ったのですが、復活の背景には、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」の影響が大きいようです。
というのも、ハイラックスの国内販売台数は年1万台なのです! しかもピックアップトラックの国内市場はトヨタの独占状態。当然そこに手を出さない理由はありません。
今回日本に導入するのは、2.4Lのディーゼルターボエンジンを搭載したダブルキャブ(2列仕様)。装備の差によって「GLS」(498万0800円)とGSR(540万1000円)の2グレードが用意されます。
ボディサイズは全長5360×全幅1930×全高1815mm、ホイールベース3130mmで、車重は2140kg。あまりの大きさと重さに誰もがビビること間違いなし! ですが、これが世界でみれば標準サイズなのです。地球は大きい!
「こんなにデカい車、運転できないよ!」と思われますが、似たようなサイズのメルセデス・マイバッハGLS600(全長5210×全幅2030×全高1840mm)やBMWのX7(全長5170×全幅2000×全高1835mm)は、六本木や広尾といったあたりの狭い道で毎日見かけますので、問題ないハズ。
ピックアップトラックですから、当然荷台はあります。カーゴベッドの内寸は奥行き1470×幅1525mm。とはいえ、そのまま荷物を積載すると風雨に見舞われます。キャノピーや電動トノカバーなどの豊富なオプションが順次投入されるというので、必要に応じてそろえましょう。
204馬力だが、トルクがあるのでどんな道も走れる
2.4L 直4ディーゼルターボエンジンの最高出力は204PS。最大トルクは470N・m(47.9kgf・m)と図太いもの。大小2つのターボを搭載している新開発エンジンで、ディーゼル特有の音や振動はかなり低減されています。ライバルのハイラックスに比べると燃費性能は下回りますが、出力はこちらの方が上。2022年に大幅改良した日産キャラバンも、このエンジンを搭載しています。
後席は外観からは想像できない(失礼!)快適空間。後席用エアコンがない代わりに、リアサーキュレーターが用意されています。「GSR」グレードはオレンジステッチ入りのブラックレザーで、「GLS」グレードはブラックのファブリック。
いったんステップに上がって運転席へ。視点の高さに驚かされます。室内は質実剛健という言葉がピッタリ。ですがレザー貼りですので、華美ではない高級感があります。
3種類ある四駆のモードと計7種のドライブモードが選べるのもトライトンの特徴。アクセルや変速特性、トラクションコントロールやブレーキLSDの介入ぐあいなどを細かく設定できるのですが、たとえば駆動方式を●●にすると××モードが選べない、みたいなことがあり少し複雑。
「使いこなせる自信がありません」と唯さん。確かに「ここまでいるのか?」という思うのですが、一方で「これがないと三菱じゃない!」という想いも。とにかく悪路に対する強いコダワリを感じさせます。

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