クアルコムの世界観実現に向けて“邪魔者”
クアルコムとしてはこの「水平分離モデル」でいかに強みを発揮していくかが重要だろう。特にグーグルは自社でAndroidOSを作り、チップも自社開発し、Pixelブランドでスマホを売るなど、どちらかといえば「垂直統合モデルのアップル」を追いかけている感がある。
Snapdragon Summitのさなか、ソフトバンクグループの傘下である半導体設計企業であるArmがクアルコムに対して、半導体設計のライセンス契約を解消すると伝えたという報道があった。クアルコムはArmと契約し、Armの回路設計図を元にSoCを作っている。
クアルコムは今回の騒動に対して「裁判が12月にあるが、Armによる策略は法的手続きを妨害しようとするものとみられ、契約解消の根拠はない。Armとの契約に基づくクアルコムの権利が認められると確信しており、 Armの反競争的行為は容認されるものではない」と声明を発表している。
業界関係者の間では「クアルコムの活躍を快く思っていない企業がArmを焚きつけているのではないか」という見立てもある。クアルコムが得意とする水平分離モデルによる「あらゆるものにオンデバイスAIを」という世界観の実現に向けて邪魔者が入ろうとしているようだ。
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