NTTデータが運用する「OpenCanvas」サービスを機能拡張、2025年から東日本リージョンで提供開始
金融・公共向けソブリンクラウド強化へ、NTTデータが「Oracle Alloy」導入
2024年10月23日 14時55分更新
NTTデータと米オラクルは2024年10月23日、NTTデータが日本国内の金融・公共向けに提供するクラウドサービス「OpenCanvas」の拡張に向けて、NTTデータのデータセンター(東日本、西日本)にオラクルの「Oracle Alloy(アロイ)」を導入することを発表した。
2025年1月末から東日本リージョンで、2027年3月末までに西日本リージョンで、それぞれサービス提供を開始する予定。NTTデータが運用管理を行うデータセンターとOracle Alloyを通じて、日本国内にデータを保持しながら、生成AI機能を含む150以上の「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」サービスを追加したOpenCanvasの新サービスを顧客に提供していく。日本国内での展開後、グローバルビジネスへの拡大も視野に入れているという。
Oracle Alloyは、各国/各企業のデータ主権/運用主権の要件やソブリンクラウドニーズに対応するためにオラクルが提供する、新しいかたちのパートナーソリューション。オラクルのパブリッククラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で用いられるプラットフォーム(ハードウェア、ソフトウェア)一式を、パートナーが自社データセンターに導入し、パートナー自身が運用管理するかたちで顧客にクラウドサービスを提供する。パートナー自身のブランドで、パートナー独自の料金体系や付加価値サービスを付与して提供することも可能だ。
NTTデータでは、データセンター戦略のひとつとして「ソブリンニーズに対応するサービス強化」を掲げており、その一環として今回、Oracle Alloyを採用し、OpenCanvasの機能強化を実施する。これにより、これまでパブリッククラウドへの移行が進まなかった機密性の高いデータ/システムのクラウド移行促進や、高度にセキュアな環境を求める金融、通信、公共、公益といった幅広い業界向けのサービス提供を進める。
両者共同発表の中で、NTTデータ 取締役 常務執行役員の冨安 寛氏は「『Oracle Alloy』で拡張したクラウド・サービスを提供し、データ主権要件に対応したクラウドへの移行と安全なデータ活用を促進し、日本のお客さまの国際競争力強化を支援します」とコメントしたうえで、将来的には海外データセンターでのサービス展開も見据えていると述べている。
また日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏は、「NTTデータとの今回の戦略的な協業は、日本の企業・団体のデータ主権要件に対応するソブリンクラウドの提供において、飛躍的な一歩」だとコメントしている。
なお、国内ではすでに野村総合研究所(NRI)、富士通がOracle Alloyの採用を発表している。