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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第153回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 9月28日~10月4日

うまくいかないデジタル人材育成を成果につなげる4要素、組織の不正を知っても23%が「内部通報しない」理由、ほか

2024年10月07日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2024年9月28日~10月4日)は、DX人材育成を通じた「成果」の実態、組織の不正に対する内部告発の現状、「自動化」スキルが生むキャリア満足度、国内SD-WAN市場の成長率についてのデータを紹介します。

[人材]DX人材の育成に3年以上取り組んでも「実成果あり」は24%(ガートナージャパン、10月2日)
・デジタル人材育成に3年以上取り組む組織で「具体的な成果が出ている」は24%
・「実成果なし」が過半数の53%
・実成果あり・なしで大きく違う指標は「経営・事業レベルの成果指標」

 非IT部門の社員へのテクノロジー教育を実施する企業・公的機関を対象に、その実態を尋ねた。デジタル人材育成の取り組み期間が「3年以上」という企業でも「実成果あり」は24%にとどまり、「実成果なし」が53%と大きく上回った。同社では成果の実現度に影響を及ぼす要因として、「事業部門の関与」「実践的な教育手法の採用」「何らかのスキル活用機会を用意する」「評価指標を経営視点に近づける」の4つを割り出している。

デジタル人材育成の取り組み期間が3年以上の企業における成果の実現度(出典:ガートナージャパン)

利用している成果の測定指標別にみた実成果の割合(出典:ガートナージャパン)

[経営]内部通報制度を知っている従業員は85%、でも「内部通報しない」が23%(デロイト トーマツ、10月1日)
・内部通報窓口が「ない」「わからない」は7~10%
・しかし「不安があり通報しない」「不安はないが通報しない」が合計23%
・通報しない理由は「報復が怖い」「処分が怖い」が合計30%以上

 「内部通報制度の整備状況に関する調査」より。2022年6月の公益通報者保護法改正により、300人超の組織では内部通報体制の整備が義務付けられている。従業員においても85%が「内部通報制度を知っている」と回答したが、実際に不正を知ったとしても「不安があり通報しない」「不安はないが通報しない」が合計で23.5%を占めている(前年比4.9ポイント増)。

従業員規模別の内部通報制度の設置状況(出典:デロイト トーマツ

国内と海外の通報受信数と不正比率(出典:デロイト トーマツ

内部通報するかしないか。「不安があり通報しない」は14.3%(出典:デロイト トーマツ

[AI][RPA]自動化に携わる人はキャリアへの満足が高い(UiPath、10月1日)
・40%が自動化開発のプロセスでAIを利用している
・自動化に携わる人はキャリア形成を実感、70%が「5年先も業界にとどまる」
・5年以上ソフトウェアの自動化を使用する企業は60%、前年の47%から増加

 企業における自動化の現状を調べた年次レポート「自動化プロフェッショナル実態調査レポート(State of the Automation Professional Report)」より。自動化開発のプロセスでAIツールを使用している割合は40%。自動化の主な動機は「生産性の向上」(66%)で、AIの利用目的は「コードを書く」(67%)、「文書作成」(57%)など。自動化担当の70%が「今後5年先も業界にとどまる」と回答、86%は「どのキャリアを歩むとしても現在の仕事がキャリアアップに役立つ」と考えている。

自動化開発のプロセスで「AIツールを利用している」は40%。「今後1年以内に利用を予定」まで含めると90%に達する(出典:UiPath)

[SD-WAN]国内SD-WAN市場は2023年に20%成長(IDC Japan、9月30日)
・2023年の国内SD-WAN市場は147億9000万円、前年比20%増
・2023~2028年の年間平均成長率(CAGR)は11%
・「クラウドマイグレーションの促進」「セキュリティ体制の強化」などが増加

 SD-WAN関連のインフラストラクチャ(ハードウェア・ソフトウェア)、マネージドサービス、プロフェッショナルサービスを含む国内SD-WAN市場の予測。2023年の国内SD-WAN市場は、前年比20.6%増の147億9000万円だった。これまでSD-WANの成長要因は「WANトラフィック増加への対応」だったが、大企業を中心として「クラウドマイグレーションの促進」「セキュリティ体制の強化」といった目的でも使われ始めている。

国内SD-WAN市場(支出額ベース)の予測(出典:IDC Japan)

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