ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第792回
大型言語モデルに全振りしたSambaNovaのAIプロセッサーSC40L Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU
2024年10月07日 12時00分更新
SN40LはLLNに全振りしたAIプロセッサー
ところでSambaNovaではSN30とSN40Lの性能比を示していない。性能とはパラメーター数4050億個のLlama 3.1で114トークン/秒の処理性能が出せることが大きくアピールされており、競合との比較はViT(Vision Transformer)の結果が示されている、SN30との比較は一切ない。
SN40Lの性能。これはMetaが今年7月に発表したものである
これはある意味当然で、SN40は言わばSN30をさらにLLM向けに最適化したといった感じの構造になっているからだ。そもそもなぜLlama 3.1 405Bを大々的にアピールするかと言えば、現在リリースされているHBMベースのAIプロセッサーやGPUでは、メモリーに収まらずに扱いきれないほど巨大なモデルだからである。
ところがSN40の場合、HBMとは別に1.5TBのDDR5を用意できるので、こうした巨大なモデルであっても問題なく動作する。ピーク性能で言えばおそらくSN30の方が上で、小規模なモデルであれば多分性能差が付かないし、逆に性能差が付くようなモデルはそもそもSN30だと満足に動作しない可能性すらある。
こうした巨大モデルでは、処理性能そのものよりメモリー帯域の方がむしろ支配的であり、だから演算性能はやや落としつつ3 Tier(SRAM/HBM/DDR5)のメモリー構成を取ることでメモリー帯域を確保して効率を高める、というのがSN40Lの設計方針と考えられる。言ってみればLLNに全振りしたAIプロセッサーに生まれ変わった、というところだろうか。
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