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石川温のPCスマホニュース解説 第208回

通信品質の低下が指摘されるドコモ、大規模イベントで驚きの対策

2024年08月29日 07時30分更新

文● 石川温

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物販/飲食エリアをカバーできる位置にも移動基地局車を配置

 もう1台の移動基地局車は主に物販エリアと飲食エリアをカバーできる位置に配置された。こちらには5Gのアンテナが設置され、主に物販エリアを中心に電波が吹かれていた。


物販エリアと飲食エリアを中心に電波をふく移動基地局車。上のほうに4Gアンテナ、下には5Gアンテナが設置された

 このようなフェスでは、ここ数年、キャッシュレス化が進んでいる。店舗、観客それぞれがスマホや決済端末をネットにつないで決済を行うため、安定的で反応のいいネット環境が不可欠なのだ。そこで、NTTドコモでは物販エリアに向けては5Gの電波を吹くことで、快適なキャッシュレス決済環境の提供に努めていた。ちなみに、モンバスにはNTTドコモも協賛しており、物販エリアにはd払い専用レーンが設置されていた。


「d払い」専用レーンが設けられている。キャッシュレス決済を円滑にするためにも安定した通信が欠かせない

 通常、このような移動基地局車を出動させる場合、「どこから回線を引っ張ってくるか」が重要となっている。いきなり移動基地局車を置いても、移動基地局車自体が回線につながっていなければ、電波を飛ばしたところで、スマホもネットにはつながらない。

 災害時など、周辺に全く通信環境がない場合には、移動基地局車に衛星のアンテナを設置し、衛星と通信を行うことで通信を実現させる。この場合、空が見えていれば、どこでもエリア化できるメリットがある反面、通信速度が遅くなるという弱点がある。

 また、周辺に既存の基地局があるような場所であれば、既存の基地局から移動基地局車に電波を飛ばし、その電波を中継する形で移動基地局車の周辺をエリア化するというやり方もある。

 この場合は、周辺に既存基地局があり、見通しのいいところに移動基地局車を配置できるかがカギとなる。

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