いかにコストを下げ、別のところで個性を出すか
ただ、取材をしてみると「ユーザーがYouTubeやSNSなど動画を多く見るというニーズがある一方、部材を調達する上で世界的に数多く流通しているインチ数のほうが安価に手に入りやすいという事情もある」(シャープ関係者)という。
世界的に5.7インチというコンパクトな画面サイズは需要が減ってくる中、結果として、部材の流通量も減り、価格が高騰する傾向がある。
世界的に需要のないインチ数を採用し続けるよりも、数多くのメーカーが採用し、大量生産でコストが安価となる6.6インチをあえて選んでものづくりをしたほうが、結果として安価に製造できるようになるというわけだ。
もちろん、他社と同じインチ数を採用すれば、それだけでの差別化は難しくなる。しかし、AQUOS wish4の場合は「つよかわ」というコンセプトにより、耐久性と長持ちバッテリー、使いやすさを追求することで、他社との差別化を図っていくようだ。
ソニーのXperia 1 VIも4K、21:9という独特なディスプレイはなく、他社でも採用されている汎用性のある部材に切り替えることで、コストの削減につなげている。
日本メーカーとしては割引規制、さらには円安基調という逆風もあり、ここ最近は「いかに汎用品を使ってコストを下げつつ、別のところで個性を出すか」で生き残りをかけているようだ。
この連載の記事
-
第212回
トピックス
「折りたたみスマホ」いまだに低調 欲しいと思える「何か」が足りない -
第211回
トピックス
KDDIローソン、狙いは“学生” 「無料ギガ」と「吊るし」でアピール -
第210回
iPhone
アップル「iPhone 16」シリーズ、オススメはこの2つ -
第209回
トピックス
スマホがどこでも買える今、ソフトバンクの“英断”は理にかなっている -
第208回
トピックス
通信品質の低下が指摘されるドコモ、大規模イベントで驚きの対策 -
第207回
トピックス
楽天モバイル好調のワケ 「三木谷キャンペーン」が金脈に -
第206回
トピックス
NTTドコモ「dアカウント」一から作り直した方がいいのでは -
第205回
トピックス
ドコモ「dアニメストア」は動画サービスの“勝ち組”になった -
第204回
スマホ
アップル新型「iPhone」8月発表説も サムスン、グーグルなど“前倒し発表”相次ぐ -
第202回
スマホ
ソフトバンク、ドーム球場でも通信速い ただし「ミリ波」の活躍はかなり先 - この連載の一覧へ