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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第776回

COMPUTEXで判明したZen 5以降のプロセッサー戦略 AMD CPU/GPUロードマップ

2024年06月17日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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推論の性能は35倍アップ!
Instinct MI325X/350/400

 こちらもKTU氏の記事にないので簡単に補足。AMDは2026年までのInstinctシリーズのロードマップを公開した。今年登場するのはInstinct MI325Xで、2025年にMI350、2026年にMI400がそれぞれ投入される。

2026年までのInstinctシリーズのロードマップ。MI400がCDNA 5ではなくCDNA Nextというのもなかなか示唆的だ

 まず今年中に投入されるInstinct MI325Xであるが、こちらはGCDそのものは既存のMI300Xのものと同じで、ただしHBM3eメモリーをMI300Xの24GB/スタックから36GB/スタックとしたことで、総メモリー量を288GBまで増やした。

MI300Xは2GB/ダイのHBM3eを12Hiで積層、24GBだったがMI300Xはこれを3GB/ダイに増強した模様

 転送速度もMI300Xは5.2TB/秒だったのがMI325Xでは6TB/秒に強化されており、信号速度で言えばMI300Xが5.2Gbps/pinだったのがMI325Xでは5.8Gbps/pinに向上している。これによって、NVIDIAのH100のメモリーを増強したH200と比べても十分競争力がある、としている。

 続くMI350Xはまだプレビューであるが、GCDを3nmに微細化、またFP4/FP6のデータタイプのサポートも追加される。このMI350Xの仮想敵はNVIDIAのB200であり、メモリー容量でB200比の1.5倍、AI compute性能で1.2倍と説明されている。

MI350Xの概要。逆にメモリーがMI325Xと同じ容量なのがちょっと気になるところ。あるいは現在は8スタックの構成を12スタックなどにして、スタックあたり24GBのまま、速度をもっと引き上げる方向に振っているのかもしれない

 ただNVIDIAは2025年にBlackwell Ultraを投入するとしており、これと戦うためにはもう少し性能の上乗せが必要かもしれない。ちなみにこのMI350Xの推論における性能はMI300比で35倍になる、というすさまじい数字も示された。

MI350Xの推論性能はMI300比で35倍。なにをどうするとここまで性能が向上すると見込めるのか、よくわからない。このあたりはまた情報が公開されるのを待つしかないだろう

 2026年はMI400が投入されるが、こちらに関しては一切情報がない。ただこの時期NVIDIAは新アーキテクチャーであるRubinを投入することが基調講演で示されており、このRubinと一騎打ちになると思われる。

 ということで簡単だがAMDの補足情報を説明した。製品が出てくるのは7月であり、その直前にはまたもやKTU氏の死のベンチマークロードが始まるものと予想される。

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