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最新パーツ性能チェック 第441回

いまどきのゲーミングPCでマザー側の映像出力に繋ぐのはあり/なし?古の禁忌に踏み込む

2024年05月25日 17時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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ゲームのパフォーマンスは?

 ではここからゲームの検証に入ろう。まずは『Overwatch 2』を利用する。画質はエピック、FSRやDLSSは無効化しレンダースケールは100%、フレームレート上限は600fpsに設定。マップ“Eichenwalde”におけるbotマッチ観戦中のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。

Overwatch 2:1920×1080ドット時のフレームレート

Overwatch 2:2560×1440ドット時のフレームレート

Overwatch 2:3840×2160ドット時のフレームレート

 まず平均フレームレートで見ると迂回出力時はおよそ12%の性能低下が見られた。Overwatch 2もDirectX 11を使用しており、検証は解像度を抑えているためフレームレートも比較的出やすい条件になっている。

 3DMarkのFire Strikeでスコアーに差がついたのと同じような感じになっていると思われる。しかし、解像度がWQHDや4Kになるとパフォーマンス低下は2~3%程度に縮まる。これも3DMarkにおけるFire StrikeとFire Strike Ultraのスコアーの傾向に通じるものがある。

 同じDirectX 11で、フレームレートが出やすいeスポーツ系のゲームで同じような傾向が出るかも検証してみよう。今回は『Counter-Strike 2』で検証してみた。画質は最高設定とし、ワークショップの「CS2 FPS Benchmark(作者Angel氏)」再生中のフレームレートをCapFrameXで計測した。

Counter-Strike 2:1920×1080ドット時のフレームレート

Counter-Strike 2:2560×1440ドット時のフレームレート

Counter-Strike 2:3840×2160ドット時のフレームレート

 フルHD時に迂回出力した際の性能低下が最も大きくなったが、低下率は5%程度と小さい。DirectX 11ベースであってもゲームの設計が違えば性能低下率も異なる、ということがわかる。解像度を上げた際のフレームレートについても、性能低下はするが誤差レベルとなった。迂回出力をしてもビデオカードの性能は割と出ている、ということが確認できる。

 もっと描画の重い『Cyberpunk 2077』ではどうだろうか? 画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースにDLSS“バランス”とフレーム生成、さらにレイ再構成(Ray Reconstruction:DLSS 3.5)を追加。ゲーム内蔵ベンチマーク再生中のフレームレートをCapFrameXで計測した。

Cyberpunk 2077:1920×1080ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:2560×1440ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:3840×2160ドット時のフレームレート

 フレームレートの出方的に、迂回出力をしてもGeForceオンリーのDLSS/フレーム生成/レイ再構成は上手く機能しているようだ。Overwatch 2やCounter-Strike 2とは異なり、Cyberpunk 2077におけるフレームレートの落ち方は小さく、せいぜい2%以内といったところだ。

 いつもはDirectXベースのゲーム(たまにVulkanが入る程度)でしか検証をしていないが、OpenGLを利用したゲームではどうだろう? そこでJava版『Minecraft』で試してみよう。画質(Graphics)“Fabulous!”に設定、その他の設定はすべてデフォルト、Mod類は一切入れない“Vanilla”環境とした。普通にマップを生成し、2点間を移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。

Minecraft (Java):1920×1080ドット時のフレームレート

Minecraft (Java):2560×1440ドット時のフレームレート

Minecraft (Java):3840×2160ドット時のフレームレート

 ただ迂回出力をさせただけだと、フレームレートがビデオカード直で出力した時に比べて4分の1程度に落ち込む。これは迂回出力をさせた場合にMinecraft (Java)のグラフィック処理を内蔵GPU側に割り当てるからだ。

 そこで「設定」→「ディスプレイ」→「グラフィック」でMinecraft (Java)を実行する本体、即ち“javaw.exe”を手動で登録し「高パフォーマンス」に明示的に設定した環境でも試してみた。こうすることでフレームレートは格段に伸びるが、ビデオカードから直で出力した時と比較して6~7割程度のフレームレートしか出せていない。

Minecraft (Java)で迂回出力させてもビデオカード側のGPUを使わせたい場合は、Windows 11の「設定」内で明示的に「高パフォーマンス」を指定する必要がある

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