昨年、日本上陸を果たしたBYDの日本法人「BYD Auto Japan」は、「2024戦略発表会」を開催。これまでの振り返りと今後の展望、そしてSUV「ATTO 3」の2024年モデルを紹介した。
中国からやってきたEVの巨人だが
日本ではまだまだ知名度が低かった
中国最大の電気自動車メーカーにして、世界第2位のBEVメーカーであるBYDが日本参入を正式発表したのは2022年7月のこと。当初は知名度が低かったが、「なんかBYDってすごいらしい」と次第にその名は知られるようになってきた。
発表会の冒頭、BYDアジア太平洋地区・自動車販売事業部・総経理で、ビーワイディージャパンの劉 学亮社長は、日本がBYDブランドを暖かく受け入れてくれていることに感謝の意を示したうえで、グローバルにおけるBYDの事業展開を紹介。
「BYDはファミリーカーから高級セグメントまで幅広いラインアップを有しており、2023年は全世界で302万台のBEVとPHEVを販売。2024年は650万台に伸ばす計画を立てている」と語気を強めて意気込みを語った。
そして、日本市場に目を向け「2015年、京都急行バスに電気バスの納入を皮切りに、現在200台を超えるBYD製電気バスが日本を走行。シェアは70%を超えている」と事業を紹介。そして満を持して2023年1月にSUVであるATTO 3の国内販売を開始。同年7月にはコンパクトカーであるドルフィンをラインアップに加えた。以後「毎年1台、新車を投入し続けていく」として、2024年にはセダンのSEALの導入を計画している。
日本のディーラーは51店舗に!
次いで、日本での自動車事業を取りまとめるBYDオートジャパン社長の東福寺厚樹が登壇。日本国内の現状を報告した。
日本市場においてBYDは後発メーカーであることを認識したうえで、認知拡大を目指して様々な施策をしていることを紹介。また、取扱店を2024年3月時点で51店舗(うち正規ディーラーは22店舗)にまで増やしてきたことを明かした。この数はポルシェやジャガー、ランドローバーの正規ディーラーよりも多い。さらに2025年末までに100店舗展開を計画しているという。
続いて1年半の販売台数は累計で1446台であると公表。この数に関しては「無名のブランドとしては上デキの数字だと思っている」と安堵の表情を浮かべるものの「ドルフィンの型式指定の取得が遅れており、年販1100台目標に届かない可能性がある」と胸の内を明かした。そしてSEALを販売するタイミングで、ドルフィンの型式指定も確保する準備を進めていると語った。
そして今後はテレビCMや全国キャラバンを通じて、より一層の認知拡大を目指していくと紹介。2024年を「日本でBYDのビジネスをさらに加速する1年」にすると意気込んだ。