このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第115回

生成AI活用で検討すべきポイント、サイバー攻撃の潮流、企業のデジタル投資まで

2024年のテック業界はどうなる? 各社「今年の動向予測」まとめ

2024年01月04日 10時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
IT業界2024年予測

 皆さま、新年明けましておめでとうございます。

 毎週さまざまな調査データをピックアップしてお届けしている本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」ですが、今回は“年始スペシャル版”として、2024年はテック業界にとってどのような年になるのか、各社の予測をご紹介します。

AI/生成AI:ビジネスでの本格活用に向けた整備が進む

 振り返れば、2023年は「生成AIに始まり、生成AIに終わった」と言っても過言ではない1年でした。その勢いは2024年も止みそうになく、各社ともAI/生成AIに関する予測が目立ちます。

●企業での活用に向けカスタムLLM、RAGなどに注目

 AI/生成AI活用に欠かせないGPUメーカーとして、すっかり時代の寵児(ちょうじ)となったNVIDIA。昨年は自動運転車に関する年始予測を発表していましたが、今年はAIをテーマとしています。

・LLM(大規模言語モデル)のビジネス応用が進む中、カスタムLLMが広がる
・カスタムLLMはRAG(Retrieval-Augmented Generation)を備え、データソースとの接続でより正確な情報に基づく結果が得られるように
・オープンソースの事前トレーニング済みモデルが特定分野の課題を解決する生成AIを支援
・テキストだけでなく音声、画像などにも対応するマルチモーダルなLLMが台頭

■17 Predictions for 2024: From RAG to Riches to Beatlemania and National Treasures(NVIDIA)

●企業のAI本格活用に向けて「AI TRiSM」が重視される

 AIの本格活用を進めるうえで「AIの信頼性」に注目が当たると予測するのは、ガートナーです。AIモデルの悪影響を防ぎ、制御可能な状態を維持する“ガードレール”の役割を果たす「AI TRiSM(AIの信頼性/リスク/セキュリティ・マネジメント)」が大切だと提言しています。

・2026年までに80%以上の企業が生成AIのAPIやモデルを使用し、本番環境で生成AI対応のアプリケーションを展開する
・AI TRiSMのコントロールを適用する企業は、2026年までに誤情報/不正な情報を最大80%排除して意思決定の精度を高める
・ソフトウェア・ベンダー(ISV)の80%以上が、2026年までに生成AIを組み込んだインテリジェント・アプリケーションを提供する(2023年は1%未満)

■Gartner、2024年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表(ガートナー)
IT業界2024年予測

「2024年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド」(出典:ガートナー)

 これと同様に、シスコも「AIの責任と倫理の重要性が高まる」と予測しています。さらに生成AIの製品への組み込み、ソフトウェア開発に関しても予測を発表しています。

・組織の76%は包括的なAIガバナンス方針を整備していない。2024年にはあらゆる業界、さまざまな規模の企業が正式に策定する
・2024年末までに、半分以上の新製品で「生成AIによる自然言語インターフェイス(NLI)」がデフォルト機能として提供される
・ソフトウェア開発の早期にテストを組み込む「シフトレフト」推進で、開発が変化

■24 x 7 Tech Trends: AI Readiness, Adoption and Integration(シスコ)

●小売業界:人間に代わる顧客「マシン・カスタマー」が出現

 先に触れたガートナーとNVIDIAの発表では、小売業界に対するAIの影響も予測されています。

 NVIDIAでは、顧客一人ひとりのニーズや好みに沿ってパーソナライズされたショッピングを実現する「生成AIショッピングアドバイザー」を小売企業が導入することで、顧客ロイヤルティを高めるだろうと予測します。ここでは企業ブランド、取り扱い商品、顧客データに基づく、AIモデルの綿密なトレーニングが鍵を握ります。

 ガートナーの予測はさらに“その先”を行きます。それは、人間に代わって自律的にモノやサービスを購入し、支払いも行う「マシン・カスタマー(顧客ボット)」の登場です。マシン・カスタマーとして行動するコネクテッド・プロダクトは、2028年までに世界で150億個存在するようになり、「最終的にはデジタル・コマースの到来以上に重要な影響をもたらすものになる」と述べています。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    トピックス

    “持たない家電”ランキング、もはや定番のアレがやっぱり1位なような

  2. 2位

    トピックス

    思い切った慶應義塾 全教職員にNotion導入で168年分の知的資産をAIに食わせるプロジェクトが始動

  3. 3位

    ビジネス

    管理職こそ大事にしないとまずくないか? 約4割が「続けたい、と答えない」現実

  4. 4位

    TECH

    訓練だとわかっていても「緊張で脇汗をかいた」 LINEヤフー、初のランサムウェア訓練からの学び

  5. 5位

    トピックス

    インバウンドの頑張りランキングベスト3は「大分県」「岐阜県」「佐賀県」 努力が光る結果に

  6. 6位

    データセンター

    液冷技術の最先端が集うイノベーションラボ「DRIL」、印西のデータセンターに現わる

  7. 7位

    トピックス

    リモートワークは福利厚生なの? ITエンジニアが本当に欲しい福利厚生第1位となる

  8. 8位

    ビジネス

    ランチ抜きが22%!? 物価高で「水筒・コンビニ控え」が定着する中、なぜか「推し活・美容費」だけは死守するオフィスワーカーたち

  9. 9位

    TECH

    身代金要求攻撃の被害額は「1社平均6.4億円」 それでも6割超が「支払いを否定しきれない」苦境

  10. 10位

    ビジネス

    廃校がAIの心臓部に!? 地方の遊休施設を「AIデータセンター」に生まれ変わらせるハイレゾの挑戦がアツいぞ

集計期間:
2026年04月14日~2026年04月20日
  • 角川アスキー総合研究所