ソフトバンクの戦略において致命傷になりかねない
無料メッセージアプリ「LINE」は9500万のユーザーを抱える巨大なプラットフォームであり、スマホユーザーにとってみれば、最も身近で頻繁に使うアプリと言える。
そんな生活に欠かせないアプリで不正アクセスが起こっていたとなれば、ユーザーからすればどうしても使っていく上で「不安」にさせられてしまうだろう。
LINEヤフーがユーザーから信頼感を失うことは、ソフトバンクの今後の戦略において致命傷になりかねない。
ソフトバンクの傘下にあったZホールディングスとLINEは2019年11月に経営統合に関する基本合意書を交わし、2021年3月1日に経営統合が完了。しかし、2年間、全く経営統合の成果が出なかったため、ソフトバンクの宮川潤一社長がしびれを切らし、2023年10月1日にヤフーとLINE、Zホールディングスが合併して、「LINEヤフー」が誕生したばかりだ。
ソフトバンクがLINEを喉から手が出るほど欲しかったのは、9500万というスマホユーザーとの「接点」が得られるからだった。
ソフトバンクには「ヤフー」があるものの、どちらかといえば、パソコンユーザーが中心であり、必ずしも若者にリーチしているかといえば微妙であった。しかし、LINEがあれば、若者だけでなく、あらゆるスマホユーザー、下手をしたら、スマホを持つあらゆる日本国民との接点を持てる可能性が出てくる。
ここ最近のソフトバンクの決算会見では、4000万のソフトバンクユーザー、8500万のヤフーユーザー、5800万のPayPayユーザーとともに、9500万のLINEユーザーに対して、ソフトバンクが開発した生成AIを展開し、他社の差別化をしていくと明言されているほどだ。
ソフトバンクとしては、ヤフーとLINEのID統合、その先にはPayPayとのID統合を絶対に成功させなくてはならない。

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