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企業価値につながるコンタクトセンター内製化 LIXILとARIが人とテクノロジーで実現

2024年01月17日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: ARアドバンストテクノロジ

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研修や半期の一度のイベントで、モチベーションを醸成

 もちろん、ツールの効果だけでは、コンタクトセンターは成長しない。まず応対品質の向上に関しては、ARIがオペレータの研修まで手がけたという。「正直、正しい電話対応や応対品質も分からないので、オペレータの研修、1 on 1研修で武居さんにお願いしました」とのこと。武居氏は、「みなさん研修を経て電話対応の基礎はお持ちなので、どうしなければならないかはすでに知っていました。でも、何故そうする必要があるのかは知らなかったので、実際にワークをしながら、学んでいきました」と語る。

 具体的には、お客様との通話を録音したオペレータのコールを武居氏が評価し、オペレータ自身が指導に従って、改善プランを作ったという。「各人で10本ずつ。全体で200本近くのコールを聞いて、客観的な評価させてもらいました。プロ仕様でやったので、最初の評価は、結構厳しかった。みなさんにとっては衝撃的だったと思います」と武居氏は振り返る。

 しかし、半年後にレビューすると、スコアは軒並み上がり、大きな成長を遂げたという。「お客様に分かりやすく説明する方法、シンプルに伝える方法を考えるようになりました。あと、『こちらが笑顔で対応すれば、相手にも声で伝わる』と言われたので、そこは意識しました」と語る前田氏は、相手が操作している間の言葉数を減らし、待っている間を作るようにしたという。

 武居氏の伝授したコンタクトセンターのノウハウは、LIXIL社内に移転され、内製化につながっているという。システム運営をサポートする畑山広治氏は、「武居さんは、品質を向上するために評価し、いろいろな相談にも乗ってくれています。だから、オペレータの方からも、慕われて、信頼されています。導入して終わりではなく、アフターフォローもかなりきめ細かくやってくれています」と語る。

LIXIL デジタル部門 システム開発運用統括部 デジタルサービスサポート部 畑山広治氏

 また、在宅コンタクトセンターの取り組みを成功させるべく、半期一度の割合で実施しているのが、全メンバーが本社に集合する「イイコネアワード」だ。小田氏は「このコンタクトセンターは最初から在宅だったので、みんなで会いたいよねというのがきっかけです。でも、全員で集まって単に仕事してもつまらない。だったら、日頃から在宅で戦っているみなさんに何かモチベーションを与えられることはできないだろうか?ということで、スタートしました」と語る。

 イベントでは、各自が担当しているプロジェクトを3分間で説明する。2回目になると、プレゼンや中身も進化しているという。「FAQ(よくある問い合わせ)を手がけている細目さんのチームは寸劇仕立て。細目さんがオペレータ役になり、お客様からの問い合わせに対してFAQで使うと、こんなに便利ですよという模範演技を披露してくれたんです」(小田氏)。

 こうした発表の結果、メンバー投票、ログの書き方、音源、プロジェクトなどを表彰する。さまざまな角度でメンバーを表彰し、活動を労うとともに、普段会えない在宅メンバー同士の交流を深めるのが目的だ。こうした活動が、ともすれば単調になりがちな在宅コンタクトセンターに潤いとモチベーションを与えている。ITに強いからといって、リモートワークに長けているわけではない、IT業界においても、こうした取り組みは積極的に学ぶべきだと思わされた。

イイコネ活用を進めるべく、今後は生成AIやデータも積極活用

 現在、LIXILは3ヶ月に1度のペースで機能要望を提出しており、ARIも優先順位を付けてMietaに反映しているという。

 現在、LIXILが進めているのは、Mietaに実装されたチャット機能で、既存のチャットとどのように使い分けていくかを検証している。また、見える化や操作に関するリクエストもARIに伝え、生成AIの活用も進めていく。小田氏は、「確かに見積もりや発注に関する複雑な質問もあるのですが、8割は基本的な質問。現在もチャットボットは運営しているのですが、生成AIで答える機会をもっと増やしたい」と語る。

 生成AIが強化されることにより、人はより難易度の高い問い合わせに対応することが可能になる。黒川氏は、「2年前に比べて、正直コールの内容はどんどん複雑になっています。だから、われわれも、お客様が何を知りたいのか、何をやりたいのかを会話の中から知覚し、生成AIでできないような問い合わせ対応をやっていきたいと思います」と語る。

 また、データに関しても2年分は蓄積されてきたので、付加価値を生み出せるようにしていく。どんな質問が来るのか、どこでつまづくのか。コンタクトセンターで蓄積されたログはまさに宝の山だ。「今後はコールで受けた情報をどう活かしていくかが重要。外部からの意見を社内にフィードバックしたり、お客様のニーズを汲んで、こちらアウトバウンドコールを行なっていくことも考えていきたい」と畑山氏は語る。

 今後は、Mietaで実現した効率化、生成AIやデータ分析により、ユーザーの多様なリクエストに応えられるコンタクトセンターを構築していきたいという。小田氏は、「コントラクターと言われる二次代理店は、流通店様よりもはるかに多い数十万社に上ります。こうした会社にイイコネを使っていただくには、われわれがアウトバウンドで啓蒙するなど、引き続き研修していく必要があります。イイコネ自体の改良にも、こうした声を活かしていきたいですね」と語る。

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