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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第371回

ロータス最後の内燃機関モデル「エミーラ」は伝統と未来を感じる走りの良さ

2023年10月14日 12時00分更新

文● 西川昇吾 編集●ASCII

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◆久々のハイパワーMTは「クラッチが重い!」

 実際に走り始めるときに感じた第一印象は「クラッチ重……」。筆者はマニュアル車も所有していますが、ハイパワーのマニュアル車は久々。トヨタ製の3.5リッター V6 スーパーチャージャーによる405PSのパワーを受け止めるために、ある程度強化されたクラッチが採用されているのです。ただ、ミートポイントにクセがあるわけではないので、慣れてくれば問題ありません。

ロータス

 街乗りで走ってみると、クラッチの重さ以外は快適そのもの。乗り心地もスポーツサスペンションが装備されているわりに良いし、夏の東京の渋滞でもエアコンはバッチリ効くし、車内に入ってくるメカニカルノイズが小さくてオーディオも楽しめました。

ロータス
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 高速道路で合流のために加速すると、3.5L V6スーパーチャージャーが本領を発揮します。正しくはどこからでもトルクが立ち上がるといった印象で、回転フィーリングが変わらないからシフトアップを忘れてしまいそうなくらい。全域トルクフルなエンジンとなっています。基本的なパワーユニットはエヴォーラと同じですが、エヴォーラよりもフラットなトルク特性となっている雰囲気で、どちらかと言えばエミーラのパワーユニットは扱いやすいグランドツアラー的なエンジンといった印象です。

ロータス
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◆ワインディングでは舞うように走れる

 ワインディングに入り、スポーツモードを試します。するとスロットルレスポンスが鋭くなり、エンジンサウンドもワイルドになります。鋭くなったスロットルレスポンスとヒール&トゥしやすいペダルレイアウトでブリッピング(ニュートラルでアクセルを踏んでエンジン回転数を合わせる)がバシバシ決まるあたりはエリーゼに乗った時を思い出させます。

ロータス
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 トヨタ製パワーユニットをベースにした、ロータスでのチューニングの影響が大きいのでしょう。

 そして、ロータスと言えば忘れちゃいけないのがハンドリング。コーナー手前からわずかにステアリングを切り始めるとスグにフロントタイヤが反応して、ステアリングとフロントタイヤが直に触れているようなフィールはまさにロータスそのもの。車両重量やパワステの有無などで、エリーゼほどのダイレクト感はありませんが、フロントノーズは鋭くクリッピングポイントを目掛けて動き始める様子に、スポーツカーファンとしてホッとしたのを覚えています。まさに「ハンドリング・バイ・ロータス、ここに健在!」といった印象です。

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【まとめ】伝統を守りつつ進化するエミーラ

 現在は3.5L V6スーパーチャージャーのみですが、この後2.0L 4気筒ターボの導入も控えているエミーラ。こちらのトランスミッションは8速DCTになる予定で、素早い変速とイージーなドライブが期待できます。また、車両のバランス的にもコチラを本命とする声もチラホラ……。

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 ただ、今回の試乗で分かったのは、エミーラは「ハンドリング・バイ・ロータス」の伝統をしっかりと守っているということ。そう考えると、ハンドリングに没頭できる4気筒モデルもアリと思わせてくれます。ロータスらしいハンドリングを味わうことができ、近年のロータス車の中でしっかりとGT的な利便性と快適性が備わっているエミーラ。

 パッケージからエヴォーラの後継と言う人もいますが、個人的には「現代版エスプリ」といった印象(実際にエスプリ運転したことはありませんが)。ただ、現代のロータス経営陣にとって大昔のエスプリを意識したことはないかもしれません。

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 エミーラの歴史は始まったばかり、これからどんなバリエーションと進化を見せてくれるのか楽しみです。

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