「3Dスキャンした画像」の権利が争点に
一方、俳優組合(SAG-AFTRA)も最大の争点となっているのは、配信が中心になったにもかかわらず、契約内容を変更されていないために、収入が減っているという点のようです。過去の契約条件のままだと、一方的に収入が減少してしまうままだと。
ただし、AIについても、姿勢を明白に打ち出しています。明らかにされている争点の一つは肖像権の問題です。ただ、これが純粋に生成AIかどうかと言うと、やや微妙なんですよね。近年、急激に成長してきたAIに関連する映像技術と考えた方がいいと思います。
俳優組合(SAG-AFTRA)もAIそのものを禁止しようとしているわけではないようです。ただ、俳優組合は、14日の記者会見で会社側に対して不満をぶちまけています。
「(制作会社が望んでいるのは)エキストラ俳優の画像をスキャンし、半日の労働の対価を支払った上で、本人の同意なしに個人の肖像をいかなる目的にも永遠に使用することだ」
俳優組合はこう述べたうえ、俳優の「声、肖像、演技」への変更を含む「人間が創作した作品」を保護したいとしています。
ハリウッドでは、以前より特にエキストラ俳優の立場は弱いようです。
Variety誌によると俳優組合に属している16万人のメンバーのうち、過去1年間にエキストラ俳優として働いた人は3万2000人に達するとのことです。日給187ドルという組合内で最も低い賃金なのだそうです。しかも契約書には、「映画会社にありとあらゆる種類の性質や権利を許諾する」と記載があり、さらに、「映画会社が、現在、将来にわたり選択するあらゆる方法で、全世界において永久に使用できる」という条件のようなのです。これらの契約は別の契約が結ばれる主演俳優たちとは立場が違います。会社側は、今後もその条件を継続したいようです。
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