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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第88回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 6月17日~6月23日

営業/マーケの過半数「生成AI知らない」、日本の建設業界はデジタル導入の影響を軽視、ほか

2023年06月26日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年6月17日~6月23日)は、CISOから見た企業サイバーセキュリティの現状、営業/マーケティング職における生成AIの活用、携帯電話市場の動向とシェア、国内企業のWebブランド指数、建設業界のデジタルリテラシーについてのデータを紹介します。

■[セキュリティ]日本のセキュリティ担当の75%が、過去1年に機密情報の損失に対応迫られる(日本プルーフポイント、6月20日)
・「今後1年間に重大なサイバー攻撃を受けるリスクがある」と考えるCISOは68%
・61%が「標準型サイバー攻撃に対する準備ができていない」
・過去1年に機密情報の重大な損失に対処を迫られた日本のCISOは75%、世界平均より12ポイント増

 世界16カ国の最高情報セキュリテイ責任者(CISO)を対象に今年1月~2月、サイバーセキュリティについて調査したレポート「2023 Voice of the CISO(CISO意識調査レポート)」の日本語版。CISOの68%が「今後1年間に重大なサイバー攻撃を受けるリスクがある」と回答、前回の48%から大きく増加した。「過去1年に機密情報の重大な損失に対処を迫られた」と回答したCISOは日本が75%で、世界平均の63%を上回った。そのうち88%(世界平均は82%)は従業員の離職が原因だった。しかし、日本のCISOの71%は「組織内のデータは適切に保護されている」と考えていることがわかった。

今後1年間で自社が重大なサイバー攻撃を受けるリスクがあると考えるCISOの割合(出典:日本プルーフポイント)

サプライチェーンリスクについては、78%の日本のCISOが軽減のための制御を導入していると回答。世界平均である64%を上回った(出典:日本プルーフポイント)

■[生成AI][マーケティング]マーケ・営業担当の55%が「生成AIを知らない」、業務での使用は13%(HubSpot Japan、6月22日)
・マーケティング・営業担当の55%が、生成AIについて「聞いたことがない」「知らない」
・業務で使っている人は13%、「アイディア出しや企画作り」(25%)など
・74%が「自社は生成AIの業務利用について方針を提示していない」

 企業のマーケティング担当者500人、営業担当500人の合計1000人を対象に実施した、生成AIに関する意識調査より。生成AIの認知について「聞いたことがあり、意味や使い方を理解している」は15.9%にとどまり、55.6%が「聞いたことがない」「知らない」と回答した。業務で生成AIを利用している人は13.2%で、マーケは19.2%、営業は7.2%と差があった。使っている業務は「アイデア出しや企画作り」(25.7%)、「コンテンツの作成」(22.8%)、「会議や動画の要約作成」(21.3%)などが挙がった。

生成AIの業務活用への意識。15.7%が「前向きに考えている」(出典:HubSpot Japan)

74.7%が「自社には生成AIの業務利用についてポリシーがない」と回答(出典:HubSpot Japan)

■[スマートフォン][コンシューマー]2023年第1四半期の国内スマホ市場は前年同期比23%減、首位iPhoneのシェアが6ポイントアップ(IDC Japan、6月22日)
        ・2023年第1四半期の国内携帯電話/スマホ出荷台数は775万台、前年同期比23%減
・iPhoneは前年同期比16%減、Android系も前年同期比15%減
・ベンダーシェアは「アップル」(53%)、「シャープ」(12%)、「FCNT」(8%)

 世界的な経済環境の悪化、キャリアの在庫調整などにより国内携帯電話/スマートフォン(スマホ)市場は、前年同期比23.7%減の759万台となった。OS別ではiOS系が前年同期比13.1%減の417万台、Android系は同33.6%減の342万台。シェアでは、iPhoneが前年同期から6.5ポイントアップして53.8%に。iPhoneの傾向として、ディスカウントされた型落ちモデル、ストレージ容量が小さい安価なモデルに偏っているという。ストレージ容量は世界的には256GBが主流だが、日本は128GBと64GBで8割を占めるという。

2023年第1四半期の国内携帯電話市場のベンダー別シェア(出荷台数ベース)。Appleが53%でトップ(出典:IDC Japan)

スマートフォンに限定してもトップ3は同じとなった(出典:IDC Japan)

■[ブランド]「楽天市場」がWebブランド指数トップを堅守、一般企業サイトでは「アサヒ飲料」が初の首位に(日経BPコンサルティング、6月20日)
・総合ランキングは「楽天市場」「Yahoo! JAPAN」「Google」がトップ3
・一般企業編(インターネット専業企業を除く)は「アサヒ飲料」が初の首位
・スコア上昇サイトトップ3は「楽天市場」「NTTドコモ」「江崎グリコ(Glico)」

 3万人以上のネットユーザーによる国内500のサイトを評価をまとめた「Webブランド調査2023-春夏」より。総合ランキングは「楽天市場」が首位、以下「Yahoo! JAPAN」「Google」と続き、いずれも前回と同じ順位だった。楽天市場は前回から14.8ポイントアップの124.8ポイントとなり、スコア上昇でもトップに。インターネット専業企業を除いた一般企業サイト編では、前回17位の「アサヒ飲料」が初の首位、トップページのリニューアルなどが奏功し、全体でも6位と健闘した。傾向として、サステナビリティの取り組みなどの姿勢や行動が伝わる情報発信への関心が高まっているという。

「Webブランド調査2023-春夏」トップ18企業(出典:日経BPコンサルティング)

一般企業編で初の首位となった「アサヒ飲料」のスコアチャート(出典:日経BPコンサルティング)

■[DX]建設業界世界3位の日本、だがデジタルリテラシーは低い(Autodesk、6月22日)
・建設業の97%がデジタル化により業績が向上
・日本の建設業は「(非常に)大きな影響」は14%、3カ国平均の45%を下回る
・「テクノロジーを知らない」は日本は20%で最多

 日本、豪州、シンガポールの3カ国に本社がある建設・エンジニアリング企業229社の幹部に、デジタル技術の導入効果などについて聞いた。テクノロジーの導入がもたらすビジネス価値については、97%が「業績向上」を挙げた。デジタル導入は「非常に大きな影響」「大きな影響」は3カ国平均が45%、日本は14%と大きく差が出た。使用中の建築技術としては、「ビルディングインフォメーションモデリング(BMI)」(40%)、「施工管理クラウドソフト」(39%)、「デジタルツイン」(28%)などが挙がった。デジタル技術導入障壁は、「従業員のスキル不足」が3カ国平均と日本で共に最多。「そのようなテクノロジーを知らない」という回答も日本は20%で、3カ国中最多となった。

建設/エンジニアリング業界における、デジタル技術導入拡大がもたらす影響の評価、日本は「大きな影響」「非常に大きな影響」の合計が14%にとどまる(出典:Autodesk)

テクノロジーの利用拡大の障害(出典:Autodesk)

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