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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第85回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 5月27日~6月2日

業務アプリ増加で「情報が見つからない」問題、2023年も離職は続く、自動化したい業務トップ5、ほか

2023年06月05日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年5月27日~6月2日)は、コロナ前の水準に復調する“外出関連家電”、業務アプリの数と情報アクセスの課題、グローバルの転職トレンド、ESG経営の実態と課題、ビジネスオートメーションの現状についてのデータを紹介します。

■[生活][家電]“外出関連家電”のカメラや身だしなみ家電が復調、コロナ前水準に近づく(GfK Japan、6月1日)
・コロナ禍で縮小したレンズ交換式カメラが回復、ミラーレス一眼は2019年度比86%に
・ヘアスタイラーは2019年度比98%、ドライヤーは同95%まで戻る
・平均価格を上回る高機能製品が後押し、ドライヤーは2万円以上が1割を占める

 全国の家電・IT取扱店の販売実績データを基にまとめた外出関連家電の販売動向。レンズ交換式カメラ/交換レンズは、2020年度に前年度の割近く落ち込んだが、持ち直している。ミラーレス一眼が2019年度を100とすると86まで回復し、市場を牽引した。身だしなみ家電では、ドライヤーが19年度比95、ヘアスタイラー(ヘアアイロンなど)が同98、男性用シェーバーが同80など、19年度の市場水準に近づいている。特に「高機能製品」が市場回復を下支えしているという。

レンズ交換式カメラ、交換用レンズの市場規模。コロナ前の2019年度の市場規模に戻りつつある(出典:GfK Japan)

ドライヤー(左)、ヘアスタイラー(中央)、男性用シェーバー(右)の販売数量規模(出典:GfK Japan)

■[DX]デスク・ワーカーは平均11個の業務アプリを利用、その結果「必要な情報を見つけるのに苦心」が47%(ガートナージャパン、5月30日)
・デスク・ワーカーは平均11個のアプリを使用、2019年の6個から約2倍に
・デジタル・ワーカーの47%が「仕事に必要な情報を見つけるのに苦心」
・96%が「メリットがあるなら生産性モニタリングを受けてもよい」

 米国、英国、インド、中国の従業員100人以上の組織に所属する約4800人を対象に、2022年9月~11月に聞いた。デスク・ワーカーが使用する業務アプリ数は平均11個で、2019年調査の6個から増加。「26個以上」という回答も5%あった。アプリ数の増加は仕事に適したツールを求めた結果だが、その結果「情報を見つけるのに苦労する」(47%)という状態にもなっている。従業員の生産性をモニタリングするツールについては、「トレーニングやキャリア開発の機会となる」(34%)などのメリットがあるなら受ける、と回答している。

「情報やデータを見つけるのに苦労」「無関係な通知を受け取った」など、業務アプリ増加による悪い影響も(出典:ガートナージャパン)

■[働き方]「転職に前向き」は69%、職場への忠誠心が過去最低レベルに(マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン、6月1日)
・69%の社員が「転職に前向き」
・10人に7人が「キャリアの成功よりワークライフバランスを優先」
・人材獲得に関する上位3指標は「給与・報酬」(26%)「柔軟な働き方」(14%)「キャリアアップ・昇進」(10%)

 働き方について、世界37カ国・約7万人(うち、日本から1517人)を対象に、2022年第4四半期から2023年第1四半期にかけて調査し、まとめたレポートより。転職について前向きな回答者は69%に達した。2021年は「大退職時代」として話題となったが、続く2022年は離職率が倍増し、2023年もこの傾向が続くと予想する。「ウェルビーイングに悪影響を及ぼす昇給は拒否」が53%となり、ワークライフバランスを重視する傾向も明らかになっている。転職希望者が次の職場で求めることから割り出した人材獲得の指標では、「給与・報酬」(26%)に続いて「柔軟な働き方」(14%)となった。

日本の社員のうち転職活動をしている人は30%。転職に前向きな回答をした人は合計で69%となった(出典:マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン)

ワークライフバランスが仕事への満足度に与える影響では、30代が55%と最も高い(出典:マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン)

人材獲得に最も効果のあるモチベーション要因(出典:マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン)

■[ESG][経営]ESG経営の課題は「技術」「予算」「専門知識・能力」――DXに重なる(IDC Japan、6月1日)
・ESGに関して何らかの取り組みを開始している企業は43%
・今後1~2年で技術投資を行う必要性の高い領域は「データプライバシー」(11%)、「従業員エンゲージメント評価」(10%)
・ESG経営実現のための課題トップ3は「技術不足」「予算不足」「専門組織や能力の欠如」

 従業員100人以上の国内企業510社を対象に、ESG(環境、社会、ガバナンス)経営の取り組み実態を調べた。なんらかのESGの取り組みを開始している企業は43.5%で、実践的な取り組みにまで至っていない国内企業がまだ半数ある。まったく取り組んでいない企業は、その理由を「経営層のESGの関心の低さ」(49.0%)とする。IDCでは、ESG経営実現の課題として「技術不足」「予算不足」「ESGに関する専門組織や能力の欠如」が挙がったことについて「DXの取り組みでの課題と重なる」と指摘している。

ESG経営で何らかの取り組みを開始している企業は43.5%、具体的な活動を行っていない企業は20.4%(出典:IDC Japan)

■[RPA][DX]日本のビジネスオートメーションは15%で最低レベル、インドの4分の1(UiPath、5月26日)
・ビジネスオートメーションの利用は15%、8カ国中最低
・52%が「効率的に業務遂行するのに必要なリソースや支援がない」
・自動化したい業務トップは「データ入力やデータセットの作成」

 日本を含む8カ国の労働者を対象に実施した調査より。日本の業務におけるビジネスオートメーションの利用率は15%で、インド(63%)など他の国を下回り最下位に。日本の回答者の52%は「効率的に業務遂行するのに必要なリソースや支援がない」とし、改善したいリソース・支援に「技術的ツール・ソフトウェア」(66%)などを挙げた。業務で変えたいこととしては、「職場環境のさらなる柔軟性の向上」(31%)、「手作業の時間短縮」(26%)などとなった。

ビジネスオートメーション利用率。日本は調査8カ国中最低となった(出典:UiPath)

自動化したい業務トップ5(出典:UiPath)

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