親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第221回
スマホ所持は小学校高学年or中1からがトップ
親から見ると4割の子どもがスマホ依存状態で生活リズム崩壊
2023年05月30日 09時00分更新
小学校高学年~中1でスマホ所持開始
子どもにスマホを持たせるとどのような影響があるのだろうか。MOBIEWNの「子どものスマホ利用」に関するアンケート調査(2023年3月)を見てみよう。
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いつから子どもにスマホを持たせているか聞いたところ、「小学5~6年生から」「中学1年生から」が各18%で同率トップに。続いて「幼稚園から」「小学1~2年生から」が各17%、「小学3~4年生から」が14%、「高校生以降」が7%などとなった。スマホの所持開始年齢の低年齢化が進んでいることがわかる。
スマホを持たせたきっかけは、「子どもと日常的に連絡をとるため」(28%)、「塾などで帰宅が遅くなったため」(21%)、「子どもの多くがスマホを持っているため」(17%)など。
子どもにスマホを持たせてよかったことは、「子どもと連絡を取りやすくなる」が48%で最多に。そのほか、「居場所を確認できて安心」(21%)、「緊急時に連絡がつく」(16%)など、子どもと連絡を取ったり緊急時に安心という理由で持たせている。
ハマって生活リズムが崩れ健康被害も
実際にスマホを利用したことによる悪影響についても聞いたところ、「就寝時間が遅くなったなど睡眠のリズムが崩れた」が38%でトップに。
続いて、「視力が低下した」(20%)、「食事中もいじるようになり、家族の会話が減った」(18%)、「集中力が低下した」(14%)、「友達と遊ぶ機会が減った」(6%)、「学校の成績が落ちた」(2%)、「有料サイトに課金していた」(1%)などとなった。
子どもにスマホを持たせた際に心配なことを聞いたところ、最も多かった回答は「スマホ依存になること」(38%)だったが、実際に多くの子どもがスマホにハマり、生活リズムが崩れたり、利用しすぎて生活や健康に支障が出ているというわけだ。
スマホは便利で楽しいものだが、誘惑が多く、ハマって依存状態となる子どもは多い。利用させる際は、子どもと利用時間に関するルールや約束を決めて見守ることが必要だろう。
ルールや約束を守りやすくするために、各携帯電話会社が提供しているあんしんフィルターや、スクリーンタイム(iPhoneなどiOS端末で利用可能)、ファミリーリンク(Android端末で利用可能)などペアレンタルコントロールの利用時間制限機能をうまく活用してほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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