連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第80回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 4月22日~4月28日
Z世代の過半数が「賃金より週休3日」、学校にデジタル化してほしいこと、サイバーインシデントの半数が製造業、ほか
2023年05月01日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2023年4月22日~4月28日)は、Z世代と他の世代の仕事意識の違い、2022年のサイバー攻撃状況、学校配布物のデジタル化、eKYC市場の成長率、大学生が就職したい企業・業種についてのデータを紹介します。
■[Z世代][生活]「賃金より週休3日」が54%、76%はAIが仕事に関与するのは「良いと思う」(ビッグローブ、4月27日)
・Z世代の54%が「賃金が下がったとしても週休3日」
・「仕事のやりがいより普段の生活重視」が67%
・76%がAIが仕事に関与することは「良いと思う」
全国の「Z世代」18~24歳および25~29歳の若年層男女600人と、比較対象として30~69歳の男女400人にインターネット調査で働き方について聞いた。「賃金が下がったとしても週休3日にしたい」は、Z世代で54.8%、30~60代で47.3%だった。「柔軟な雇用形態の推進は少子化対策に有効」は30~60代の方が多く76.6%、Z世代は73.8%だった。ChatGPTをはじめとしたAIと仕事の関係については、AIが仕事に関与することが「(やや)良いと思う」がZ世代で76.6%、30~60代は75.5%だった。良いことだと思う理由は「仕事が効率化される」が最多、悪いと思う理由は、Z世代は「仕事が奪われる」が最多、30~60代は「人間ほどのレベルに達していない」が最多となっている。
■[セキュリティ]日本は最もサイバー攻撃を受けた国、全インシデントの51%は製造業(日本IBM、4月25日)
・アジア地域はサイバー攻撃観測数が最大、全攻撃の約3分の1を占める
・日本は2年連続で最も攻撃を受けた国に
・サイバー犯罪者は7万8000件以上の既知のエクスプロイトを利用可能
ネットワークやエンドポイントの検知デバイスなど、数十億のデータポイントから攻撃パターンを追跡したものをまとめた「X-Force脅威インテリジェンス・インデックス2023」より。2022年、サイバー攻撃で最もよく使われた手法はランサムウェアなどの「恐喝」で、特に多かった欧州では全観測事例の44%がこれに該当した。また、2022年に同社が対応した全攻撃の3分の1がアジアで、攻撃最多の地域に。日本はバックドアを仕込まれる攻撃が34%を占めた。添付ファイルによるスピアフィッシングが主要な感染経路となっており、業種別では製造業(インシデントの51%)、教育(同17%)、金融・保険(同12%)、政府機関(同8%)となった。
■[デジタル]学校のプリント類をスマホに撮ってデジタル化、74%の保護者が「連絡手段のデジタル化を進めるべき」(アドビ、4月25日)
・保護者の7割以上が学校・保護者間の連絡手段のデジタル化を「進めるべき」
・デジタル化が進んだのは「欠席・遅刻届」(40%)
・34%の保護者が紙のプリント類をデジタル管理、「スマホカメラアプリ」が最多
「子どもが学校で受け取るプリント類のデジタル化に関する実態調査」として、全国の保育園/幼稚園児、小学生の保護者500人を対象に調べた。2019年以来2回目となる。保護者の55.6%が、コロナ前と比較すると「学校・保護者間の連絡手段のデジタル化」が進んだと回答、74.6%が「さらにデジタル化を進めるべき」と考える。デジタル化してほしい/デジタル化が進んだと思う項目は「欠席や遅刻の届け出」がそれぞれ47%、40%で最多。学校から持ち帰ったプリントを写真に撮ったりスキャンして管理している保護者は、2019年の22%から34.5%に増えた。
■[セキュリティ]eKYC市場は前年比51%増の67億円、2026年までCAGR28%で成長(アイ・ティ・アール、4月27日)
・2022年度のeKYC市場は67億円(見込み)、前年比51%増
・2021年~26年はCAGR28%で成長し、2026年には152億円を見込む
・商品購入時や不正転売防止などeKYCの利用シーンが拡大
オンラインの本人確認eKYC(electronic Know Your Customer)の国内市場規模推移および予測。2022年度は、前年度51.2%増の44億3000万円の見込み。この市場はコロナ禍でオンラインサービスの利用が増加したことなどから、2021年度は前年度比倍増で成長していた。2024年3月までに対応必須となる口座保有者の継続的顧客管理、資金移動やシェアリングサービス、購入時の本人確認、不正転売防止用など利用シーンが拡大しており、2026年度には152億円に拡大すると予想している。
■[仕事]就職したい企業・業種は「地方・国家公務員」が5年連続で最多、希望年収は「500~600万円」(リスクモンスター、4月26日)
・就職したい企業・業種のトップは「地方公務員」(11%)、「国家公務員」(6%)
・男性を中心に飲食料品製造業が人気
・就職先選定で最重要ポイントは「給与」、希望年収は500~600万円が最多
2024年3月に卒業予定の大学3年生男女400人を対象に就職したい企業・業種を尋ねた。また対象企業は各業界の大手企業・組織200社を抽出した中から選択。「地方公務員」( 11.8%)、「国家公務員」(6%)は5年連続でそれぞれ1位、2位を堅守。業種は、5位「森永乳業」、9位「サントリー」など飲食料品製造業が最多。「日本航空」が前回28位から3位と大幅ランクアップした一方で、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」は前回16位から75位と大きく下げた。厚生労働省が発表した2022年平均の有効求人倍率は1.28倍、前年比0.15ポイント増で、売り手市場が続いている。
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