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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第74回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 3月11日~3月17日

レガシーから“Newオンプレミス”への動き、Z世代の「コスパ」「タイパ」意識、ほか

2023年03月20日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年3月11日~3月17日)は、日米IT人材の所属先比較、レガシーオンプレミス/メインフレームの将来像、クラウド環境のセキュリティ検討ポイント、電子契約利用やインボイス制度登録の進捗、Z世代の「コスパ」「タイパ」意識についてのデータを紹介します。

■[人材]日本のIT人材の74%がIT企業に、米国は35%(IPA:情報処理推進機構、3月16日)
・日本のIT人材の73.6%はIT企業に所属、2015年の72%からほぼ変化なし
・米国はIT企業以外への所属が65%と主流
・日本のIT人材は125万人、2015年比で20万人の増加

 IPAが情報処理/通信に携わる人材の数や所属、職種の経年比較を行い「DX白書2023」に追記した。日本の統計情報は2015/2020年の国勢調査、米国は2015/2021年の職業雇用統計に基づく。日本のIT人材数は2015年の104万5200人から2020年は125万3930人に、米国でも2015年の419万5110人から2021年は498万1090人に増加している。ただし、米国のIT人材の64.9%がIT企業以外(ユーザー企業)に所属する一方で、日本のIT企業以外への所属は26.4%にとどまる(それぞれ2021年、2020年の数字)。「内製化」の必要性が叫ばれる昨今だが、IT人材の所属先のIT企業/非IT企業比率は2015年から大きくは変わっていない。

日本と米国における2015年/2020年のIT人材の数と所属の比較

■[クラウド]2026年までにオンプレミスベンダーの90%が“Newオンプレミス”へ技術転換、レガシーは衰退の恐れ(ガートナージャパン、3月16日)
・2026年までにオンプレミスベンダーのテクノロジーの90%が“Newオンプレミス”に
・従来型オンプレや仮想ホスティングのみにフォーカスし続けると衰退の恐れ
・2026年までにメインフレーム・ユーザーの60%は、膨大な費用によりマイグレーションを見送る

 ガートナーのオンプレミスシステムに関する展望。従来型(レガシー)オンプレミス技術から、クラウドネイティブの要素取り入れた新しいオンプレミス=“Newオンプレミス”への転換が進むと予測、企業はオンプレミスのあり方を変えなけばならないという。IBM、NECを除くメインフレームベンダーは事業撤退の方向であり、ユーザーはマイグレーション計画を立案せざるを得ないとする。メインフレームユーザーの減少に伴いベンダーが保守料金を値上げし、途方に暮れるユーザーが増えることも指摘する。

■[セキュリティ]90%の企業がサイバー脅威を1時間以内に検出/対応/解決することは「不可能」(パロアルトネットワークス、3月17日)
・90%の企業がサイバー脅威を1時間以内に検出・対応・解決することは「不可能」
・76%が「クラウドセキュリティツールの多さが盲点になっている」と指摘
・パブリッククラウド活用への投資、日本は「1億ドル以上」の比率が最多(65%)

 日本を含む世界7カ国2500人以上の経営幹部を対象に、クラウドの導入戦略とその戦略がどう機能しているかを聞いた「クラウド ネイティブ セキュリティレポート2023」より。パブリッククラウド活用への投資額が「1億ドル以上」と回答した比率は日本が最多で65.3%、世界平均の54%を上回った。セキュリティでは、77%が「目的達成に必要なセキュリティツールの特定に課題を感じている」と回答、76%が「クラウドセキュリティツールの多さが盲点になっている」とした。このような状況もあってか、90%が「サイバー脅威を1時間以内に検出/対応/解決することは不可能」と回答している。

ちなみに調査対象企業の77%では「週次で」、17%は「毎日複数回」新しいアプリケーションコードをリリースしており、DevSecOpsの実現も求められている(出典:パロアルトネットワークス

■[インボイス]電子契約利用は73%と増加、インボイス制度の登録申請は88%(日本情報経済社会推進協会、アイ・ティ・アール、3月16日)
・電子契約の利用企業は73%、前年の69%から増加
・インボイス制度の登録申請は「提出済み」「提出予定」が88%
・DXの目的は「コスト削減」(60%) 「労働時間の短縮」(46%)

 国内企業1022社(従業員数2名以上)のIT/情報セキュリティ責任者を対象に、2023年1月に共同実施した「企業IT利活用動向調査2023」より。電子契約の利用企業は前年から約4ポイント増の73.9%。2023年10月導入予定のインボイス制度への対応として、34.3%が適格請求書発行事業者として登録申請書を提出し、すでに登録番号の通知を受けていた。同様に「提出済みで登録処理中」31.3%、「今後提出予定」23%。またクラウドサービスの選定時に、セキュリティ認証取得状況を参照するという企業は44.6%だった。

電子契約の利用状況、前年の69.7%から73.9%に増加した(出典:JIPDEC、ITR)

インボイス制度の登録申請書の提出状況。提出予定を入れると88%(出典:JIPDEC、ITR)

■[消費]Z世代は時間にもコストにもシビア? 約半数がタイパ、コスパを意識(ビッグローブ、3月15日)
・Z世代の半数以上が「タイパ」(56%)、「コスパ」(69%)を意識 ・49%が定額支払いの動画配信サービスを利用 ・お金をかけずに楽しんでいるものは「SNS」が約4割

 日本のZ世代(18~25歳)男女500人に、タイパ(タイムパフォーマンス)/コスパ(コストパフォーマンス)/サブスク(サブスクリプション)に対する意識調査を実施。日常生活でタイパ、コスパを意識している人はそれぞれ56.2%、69.2%となった。登録しているサブスクサービスについては「動画」が49%で最多。支払額は月額で「1000円未満」が36.2%、同「1000~2000円未満」が28.3%。「時間をかけてもいいと思うもの」は「趣味・娯楽」「食事」「勉強」、同様に「お金をかけてもいいと思うもの」もこの3つがトップ3に入った。

Z世代の「タイパ」「コスパ」意識。タイパは56%、コスパは69%が「日常生活で意識している」と回答(出典:ビッグローブ)

動画(49%)や音楽(31%)のサブスク利用は、ほかの世代を大きく上回る(出典:ビッグローブ)

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