Windows Info 第367回
AndroidアプリがWindowsで動く、「Windows Subsystem for Android」は今どうなってる?
2023年02月19日 10時00分更新
Windows 11でAndroidアプリを動かすWindows Subsystem for Android(以下、WSA)は、昨年8月に日本国内でもプレビューが開始された。その後、10月に配布されたVer.2209.40000.26.0で、Ver.1.0のレベルに到達したことがTwitterで告知されている。
以下の表は、WSAのこれまでの経過とバージョンを示したものだ。
現在は、Windows Insider Programのプレビュー版Windows 11(以下、インサイダープレビュー版Windows)では、2月9日に配布されたWSA Ver.2301.40000.4.0にアップデートできるが、通常版のWindows 11 Ver.22H2では、WSA Ver.2211.40000.11.0までとなる。つまり現状で、WSA Ver.2301.40000.4.0はプレビュー版、WSA Ver.2211.40000.11.0が安定版と考えられる。
なお、現在配布中のバージョンでは、WSA Ver.2209.40000.26.0以前にあったCPUの制限が取り払われており、Atom系CPUにもインストールが可能になっている。現在の動作条件としては、Windows 11の動作条件に加え、
メモリ:最小8GB、16GB推奨
CPU:x64またはARM64
仮想マシン:仮想マシンプラットフォームが有効化されていること
ストレージ:ソリッドステートドライブ、SSDを推奨
となっており、特にCPUなどに制限はないようだ。少なくともWindows 11の動作条件を満たしているCPUで、仮想マシンプラットフォームが起動できないCPUは存在しないはずである。
なお、WSAではWindows Insider Programとは別にプレビュープログラムが実施されており、メールアドレスを登録することで参加できる。ただし、プレビュー版はMicrosoftストア経由で配布されているため、Microsoftストアに登録したメールアドレス(通常はMicrosoftアカウント)を登録する必要がある。
今のところほぼ毎月のようにWSAのアップデートが公開されている。今後実装が予定されている機能としては、「ファイル転送」(現在はADB経由)、「ショートカット」、「P-in-P」(別ウィンドウに動画を再生)、「ローカルネットワークアクセス」などがある。
Amazonのアプリストアからアプリをインストールする
WSAでアプリのインストールする場所として用いられているのが、「Amazonアプリストア」だ。Amazonのアカウントは国ごとに独立している。このため、Amazon.comとAmazon.co.jpは別アカウントだが、同じアドレスを使うことができる。このあたりはGmailアカウントと異なる部分だ。
Amazonの通常利用では、Amazon.comかAmazon.co.jpかどちらのURLでページを開くかでアカウントが切り替わる。WSAのアプリストアでは、Windowsの言語が「日本語」の場合、Amazon.co.jpへのログインとなり、「英語(米国)」/「English(United States)」の場合には、Amazon.comへのログインとなる。アプリストアもAmazon.co.jpとAmazon.comでは異なり、表示されるアプリも違ってくる。
ただし、Amazon.comでアプリストアに一度ログインしたら、Windowsの表示言語を日本語に戻してもプレイストアのログイン先は、米国アカウントのままになる。また、Windowsの設定にある「国または地域」(「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」→「地域」の設定とも関係ない。また、アプリストアで新規に米国アカウントを作ることもできる。
米国Amazon.comのAndroidアプリには、日本では見かけないようなものも多数ある。なかには、アプリ内の言語切り替えで日本語を表示可能なものものある。ちょっとした息抜きに試してみるのもいいかもしれない。
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