今後ガイドラインの整備が進むかどうかがポイント
こうしたなか、漫画家で参議院議員の赤松健氏は1月8日に「驚異の進化を遂げる画像生成AI ~赤松健の現時点での提言~」という動画をYouTubeにアップロードしています。赤松氏はこの動画の中で、画像生成AIに付いて説明し、既存の絵師側がどのように見ているのか、弁護士の視点からの著作権に関する部分の説明などをしたあとに現状の認識を披露しました。
赤松氏は、成熟の段階を3段階の「レベル1(あまり良くない状態)」、「レベル2(良くなる途上の状態)」、「レベル3(成熟した状態)」と分けています。現在は、レベル2の「技術やガイドライン等でわいせつ画像・権利侵害画像の生成をある程度コントロールできている」段階だと論じています。「良くなっていく途中、過渡期・途上の状態である」ともしています。
img2imgを展開しているサービスでも、「自分が描いたイラストだけをそこに入れてくださいねってガイドラインが出ている」というケースを紹介しつつ、段々と不安があった段階が解決されつつあるとしています。そして、YouTubeを例にあげて、時間をかけていずれは権利者への還元がなされるようなレベル3の段階にまでたどり着くとしています。「爆発的な発展を経て、ガイドラインで少しずつコントロールできていく。その後、成熟した状態になって、皆が納得する状態に、今近づいている」と。
そのうえで、「私の考えでは法改正は必要ない」と結論付けています。法改正では技術の発展を阻害してしまうこと、日本で規制しても海外で規制されていないので差ができてしまうことをその理由としてあげています。一方で、「今後の政策として、クリエイター、権利者団体、技術者、法律の専門家そういった方々と継続的に意見交換してその状況を発信していく、その上でガイドラインの策定とか啓蒙をどんどん行なっていくべきである」としています。
新しい技術が登場すると、悪意を持って自分の自尊心を満たすために使用したり、ルールの穴を使って収益化を目指す人は必ず出てきます。まだまだ、レベル2だとしても、初期段階ではないかと考えます。法改正を通じた拙速な規制は、影響力が大きすぎるので、行なうべきではないと考えます。
しかし、今回のケースの場合のように、img2imgにおいて、どこまでが許される線とするべきものなのか、特に収益化が可能なSNSプラットフォーマーやその関係者によるガイドラインの策定とその実効性を伴った実施は、早晩、必ず必要になってくるでしょう。
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