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スマホと連動する電動アシスト自転車「e-bike」試乗レポ 第3回

理想のe-bikeを探せ! その3

まさに走るスマホ! VanMoofのe-bike「S3」はギアもオートな未来の乗り物

2023年01月30日 12時00分更新

文● 荻窪 圭 編集●ASCII

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前輪駆動に4速オートマのe-bikeなのだった

 自転車としてのメカの話もちょっとしよう。変速機は内装4段で後輪のハブに内蔵されている。オートマと書いたけど、そもそも電動式の変速をS3内蔵のコンピュータが動かしており、時速何kmになったらシフトアップ、時速何kmに落ちたらシフトダウンという動作を自動的にするのだ。そのアルゴリズムもあらかじめ、平地(Flat)と起伏がある場所(Hilly)用の2つのプリセットがあるほか、自分で細かく設定できる。

変速機はこのハブに内蔵されている電動式の「内装4段」

セッティング画面。変速パターンは「Flat」「Hilly」の他、カスタムとマニュアルがある。その他、アシストモードやライトの点灯も調整可能

 平地用はほんとに真っ平らな土地に住んでる人向けだなと思う。VanMoofはオランダの会社なんだけど、さすがフラットなオランダって感じのセッティングだ。ちょっとでも坂があるなら「Hilly」にした方が快適だろう。スポーツ自転車に乗り慣れてる人は、自分の感覚に合うようカスタムセッティングがオススメ。

時速何kmになったらシフトアップする、ダウンするという基準を細かく設定できる

 変速はマニュアルがいいって人は手動変速も可能だ。変速レバーはないので、シフトアップは右ハンドルボタンをダブルクリック、シフトダウンは左ハンドルボタンを押しながら右ハンドルボタンをダブルクリックという操作になる。めちゃIT機器っぽい。

 電動アシストのモーターは前輪のハブにはいっている。ちょっと珍しい前輪駆動(正確にいえば、前輪+ペダリングによる後輪の両輪駆動)なのだ。おかげでモーターもコンパクトだし、ペダル回りもすっきりしててe-bikeに見えない。

アシスト用モーターは前輪のハブに仕込まれていて、実にコンパクト

 アシストレベルは1~4の4段階。注目すべきは「ターボブーストボタン」だ。右ハンドルのボタンを押している間だけアシストが最強(アシストレベル4)になるという仕組み。

右ハンドルにあるのが「ターボブースト」ボタン。これを押してる間だけアシストレベルが4になるのは最高のアイデアだ

 だから、普段はノーマル(アシストレベル2)にしておき、上り坂だけターボブーストボタンを押して強力アシストをお願いするという使い方がオススメかも。このアイデアは最高に素晴らしい。疲れてしんどくなったら押せ、みたいな使い方をしてもOK。

 もうひとつ、スマホで設定しておきたいのは「ライト」。前後のライトを内蔵していながら、自転車自体にライトのオンオフボタンはなく、アプリからコントロールするのだ。オートにしておくと、暗くなると自動的に点灯する。感度も変更できるので(デフォルトでは少し暗くなるだけで付いちゃう)自分の環境に合わせて感度を調節したい。内蔵のライトはトップチューブの前と後ろにある。これはなかなかカッコいい。

フレームと一体化したフロントライト。これがすごく印象的でカッコいいのだった。S3の本体はこのフロントライトの奥に長細いのがはいってるようだ

昼間でも暗いところへ行けば、このように自動的に点灯。歩く人がまぶしくないよう上には光がもれにくくなってるのがよい

フロントライトの反対側にはテールライト。これも目立ってよい

テールライトの赤さもいい感じに目立つ

 充電はトップチューブの裏側に充電端子を使う本体内充電式。なので購入時は充電場所を考えること。ガレージとかあればいいけど。室内に持ち込んで充電だと場所をとるからね。

玄関内に持ち込んで充電中。充電中は「イナズマ」アイコンになるのでわかりやすい

 それは日本と欧米の家庭事情の違い、自転車保管環境の違いといっていいかも。

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