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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第64回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2022年12月24日~2023年1月6日

18歳の7割「少子高齢化に危機感」、2022年のSNSトップ3からTwitterが脱落、ほか

2023年01月10日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 年末年始期間をまたぐ今回(2022年12月24日~2023年1月6日)は、QRコード決済の浸透、チャットボット製品の2023年トレンド、2022年のインターネットトラフィック動向、少子化問題に対する18歳の考え、エッジAIトレンドについてのデータを紹介します。

■[生活]「QRコード決済」がクレカに次ぐ決済手段に、「後払い決済(BNPL)」利用率は11%(インフキュリオン、2022年12月26日)
・「QRコード決済」利用率は62%、「クレジットカード」に次ぐ決済手段に
・「後払い決済(BNPL)」利用率は11%と横ばい、前年より利用が増えた人は40%
・キャッシュレスで支払いたい決済のトップは「医療機関」で63%

 16~69歳の男女5000人を対象に、決済についてたずねた「決済動向2022年12月調査」より。利用する決済手段は「クレジットカード」が最多で78%、続いて62%が「QRコード決済アプリ」と回答した。拮抗していた「FeliCa型電子マネー」(56%)を前回(2022年4月)に引き続き上回ったことから、「クレジットカードに次ぐキャッシュレス手段として定着してきている」としている。各社が力を入れる非クレジットカードの後払い決済サービス(BNPL:Buy Now Pay Later)は、利用率こそ11%で横ばいの状態だが、前年よりも利用が増えた人は40%で、利用回数が増えていることがわかった。

各カテゴリーの利用率の推移 2015年3月~2022年12月(出典:インフキュリオン)

1年前と比較した各カテゴリーの利用増減(出典:インフキュリオン)

■[AI]2023年、チャットボットは対話型AI搭載タイプがトレンドか?(アイスマイリー、2022年12月26日)
・2022年のチャットボット人気No.1は「OfficeBot」
・2023年のトレンドは対話型AI搭載タイプ
・AIと人間の対話を実現するサービスの社会実装が増えると予想

 AI製品比較・検索サイトのアイスマイリーが、独自調査により最も人気があったチャットボットランキングを選んだ。2022年のトップはネオスの「OfficeBot」。社内問い合わせ対応の効率化、ナレッジマネジメントに活用できるAIチャットボットだという。このほか、チャットプラスの「チャットプラス」、パナソニック ソリューションテクノロジーの「WisTalk」がトップ3に。2023年のトレンド予測として、チャットボットと自然言語技術が密に連携し、AIと人間の対話を実現するサービスの社会実装が増えるとしている。テキスト情報に加え、人間のような感情表現、人の知性・感性を解析するマルチモーダルなAI技術の搭載が特徴という。そのような点から分析した2023年の予測では、NTTレゾナントの「AI suite」が1位となった。

2023年度チャットボットトレンド予測(出典:アイスマイリー)

■[トレンド]2022年最も利用されたオンラインサービスは「Google」、「Twitter」はトップ3圏外へ(Cloudflare、12月23日)
・2022年最も利用されたオンラインサービスは「Google」
・SNSトップ3は「Facebook」「TikTok」「Instagram」、「Twitter」は脱落
・FIFA W杯、年末商戦で世界のインターネットトラフィックは11月下旬に急増

 2022年のインターネット、セキュリティ、オンラインサービスのトレンドや傾向を分析する「Cloudflare Radar Year in Review」より。世界のインターネットトラフィックは11月に23%増加。さらに日本はそれを上回り、11月の伸びは40%増となった。最も利用されたインターネットサービスは「Google」、ソーシャルメディアカテゴリでは「Facebook」、動画ストリーミングでは「YouTube」、メタバース・ゲームは「Roblox」がそれぞれトップに輝いた。

日本におけるインターネットトラフィックのピーク時の成長率(出典:Cloudflare

最も利用されたインターネットサービストップ10(出典:Cloudflare

■[生活]祝成人、18歳の7割超が「少子高齢化」に危機感感じる(日本財団、1月6日)
・「将来結婚したい」は男女とも4割超、「実際にすると思う」は男性2割、女性1割にr/> ・事実婚、選択的夫婦別姓制度、パートナーシップ宣誓制度には7割が賛成r/> ・7割超が少子高齢化に「危機感を感じる」

 成人年齢前後の若者に「価値観・ライフデザイン」をテーマに考えを尋ねた18歳意識調査。52回目となる同調査には約1000人が参加した。「少子高齢化への危機感」を「感じる」回答者が74.1%で、「感じない」7.6%を大きく上回った。また少子化問題に対する政府対応については、82%が「不十分/どちらかといえば不十分」と評価している。財源としては「法人税率を上げる」(29.5%)、「年金関連支出を減らす」(22.2%)、「国際協力関連支出を減らす」(21.5%)が挙がった。結婚については、男女とも4割超が「将来結婚したい」と回答する一方、「実際に将来、結婚すると思うか」という問いには「必ずすると思う」は男性で約2割、女性で約1割にとどまった。

少子高齢化に対する現在の政府の対応については、「不十分」「どちらかと言えば不十分」との評価が82%を占める(出典:日本財団)

多様なパートナーシップのあり方に「賛成」と回答した人の割合(出典:日本財団)

■[エッジ]2023年はエッジAIの年に、注目すべき5つのトレンドをNVIDIAがピックアップ(NVIDIA、12月19日)
・AIはクラウドからエッジへ、2023年はエッジAIの動きが本格化
・エッジにおけるサイバーセキュリティの確保が重要に
・“人間とマシンのコラボレーション”が拡大

 同社の公式ブログに掲載された「2023年に注目すべきエッジAIの5つのトレンド」より。AIは2022年に続き注目の投資分野だが、2023年は「エッジAIが重要視される」と予想する。その一方で、2021年に50%増加したサイバー攻撃の矛先がエッジに向かうことも考えられる。AIのユースケースと組み合わせると攻撃対象領域が広くなり、サイバーセキュリティのリスクが高まる、としている。NVIDIAではこのほかのトレンドとして「ROIの高いAIユースケースに注目集まる」「人間とマシンのコラボレーションが拡大」「安全性のためのAIユースケース」「デジタルツインをエッジに接続する」を挙げている。

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