第26回 ユーザックシステムのRPAで実現した業務自動化の事例
kintoneアプリの管理もAutoジョブ名人で自動化
味の素冷凍食品のRPA浸透プロセス 5つのステップで現場開発者を育成
提供: ユーザックシステム
内製のkintoneアプリと連携させて管理を効率化
次に堀氏は、RPAによって実現した、社内アプリ(kintone)の管理自動化について説明した。
「IT部門は、システムや利用者の管理など、簡単だが煩雑な運用管理業務と、利活用促進などの頭を使う作業を同時に進めることがミッションである。これらを少ない人数でこなさなければいけないため、疲弊している。そこで、運用に関する仕組みをRPAで自動化すれば、スタッフは頭を使う業務や、社内の問い合わせ対応などに専念できる」(堀氏)
堀氏は、システム管理の自動化を考える際に重要なのは、まず管理対象のシステムの仕組みをよく理解することだと言う。「システム管理のプロセスをRPAでゼロから作るのは非効率。システムが持っている管理機能を生かして、RPAとどう連携させるかを考えなければいけない」(堀氏)
また堀氏は、新しいシステムの利用ルール策定と同時に、管理プロセスも開発してしまうことを勧める。「管理方法を最初からルールに盛り込むことで、問い合わせ数も減り、更新のリリースも遅れない。当社では、kintoneの管理自動化スクリプトを、1カ月で20本作成した」(堀氏)
さらにシステムは一度導入すると数年以上の単位で使用するため、システム部門の担当者が異動することも前提に管理方法を確立させなければいけない。その点でも、管理の自動化は重要である。
kintoneは、システム管理に必要な機能がそろっている点でも、管理の自動化に向いていたと堀氏は言う。アプリ一覧のダウンロード機能や、作成者や更新日など、使用状況についての管理パラメーターが充実しており、RPAの適用がしやすい。
kintoneとAutoジョブ名人の連携は次のようになっている。ユーザーが新規にkintoneを使用したい場合、Autoジョブ名人がExcelの申請書データと社内の人事情報マスタの情報を組み合わせて自動的にcsvファイルを作成、アップロードしてkintoneのユーザー登録を実行する。削除申請書も同様に処理され、削除完了のメールも自動送信される。
また、kintoneのアプリを管理するためのkintoneアプリを作成し、1年以上使われていないアプリを見つけると、RPAから開発者に向けてメールを送る機能も作った。
kintoneとAutoジョブ名人の連携は、事務管理の業務にも使われている。アプリの管理情報を取り出して、経費の振替処理を実行、部署ごとのアプリ利用料のリストを作成している。将来的には、RPAで経費管理システムへの自動入力も検討している。
堀氏は「RPAの社内展開は、拡大フェーズに合わせて管理方法を変更することがポイントだと思う。スクリプト自体の管理もRPAで行うことができるので、使えば使うほど自動化が進み、業務が効率化する。それによって、推進部門は単純作業に追われることなく社内の他部署へのRPA推進に注力できる」と語った。
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