最新パーツ性能チェック 第382回
実はそれほど燃費は悪くない?ワットパフォーマンスも検証
既存GPUと一線を画す4Kの強さ。GeForce RTX 4090のゲーム性能を徹底検証!
2022年10月11日 22時10分更新
Ada Lovelace世代のフラッグシップGPU「GeForce RTX 4090」(以下、RTX 4090)は、16384基という膨大なCUDAコアの力でRTX 3090 Tiの2倍近い性能を叩き出したモンスターGPUである。技術的な見どころや基本的ベンチマーク(3DMark)は前回の記事で解説済みだ。
今回は「GeForce RTX 4090 Founders Edition」(以下、RTX 4090 FE)の実ゲームにおけるパフォーマンス検証の結果をお届けする。予め言及しておくと、NVIDIAはRTX 4090をゲーマーのためのプロダクトと位置付けていない。重量級、特にレイトレーシングを使用したゲームプレイには最高のGPUではあるが、RTX 4090 FEは24GBものVRAMや強力な計算力、AV1対応のNVEncなど、コンテンツクリエイション分野にも強くアピールしている製品である。とはいえ、ゲームの画質とフレームレートを極大化したい筆者にとって、RTX 4090のゲームパフォーマンスは十分に時間をかけて検証するに値するトピックだ。
検証環境は前回とまったく同じだ。比較対象として「GeForce RTX 3090 Founders Edition」(以下、RTX 3090 FE)と「GeForce RTX 3090 Ti」(以下、RTX 3090 Ti)、「Radeon RX 6950 XT」(以下、RX 6950 XT)を準備したが、RTX 3090 TiおよびRX 6950 XTは強めのOC設定をしたファクトリーOCモデルとなっている。TGPだけで言えば、今回準備したRTX 3090 TiのほうがRTX 4090 FEよりも高く設定されている。
また、RTX 4090 FEの補助電源ケーブルは4本すべて接続した状態で検証しているが、TGPはデフォルトの450W設定のままとしている。HDRは特記していない限りすべて有効化、NVIDIA Reflexはオフにできる状況下ではすべて無効としている。また、DLSS Super ResolutionやFSR 1.0/2.xといったアップスケーラーおよび動的解像度変更機能もすべて無効としている。
各ゲームのフレームレート計測手段については、すべて「CapFrameX」によるフレームレート実測値を採用した。ゲーム内ベンチマークがあっても実測値で統一した理由は、DLSS Frame Generationで生成されたフレームの存在は「現時点では」ゲーム内ベンチマークでは勘定に入れることができないためだ。また、解像度はフルHD(1920×1080ドット)/WQHD(2560×1440ドット)/4K(3840×2160ドット)の3本に絞っているが、これは時間と体力的な制約によるものである。
【検証環境】 | |
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CPU | インテル「Core i9-12900K」 (16コア/24スレッド、最大5.2GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「Z690 PG Velocita」(インテルZ690、BIOS 11.01) |
メモリー | Kingston「FURY Beast DDR5 KF552C40BBK2-32」(16GB×2、DDR5-4800動作) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」、 ASUS「ROG Strix LC GeForce RTX 3090 Ti OC Edition」(GeForce RTX 3090 Ti、24GB GDDR6X)、 NVIDIA「GeForce RTX 3090 Founders Edition」、 PowerColor「Red Devil AMD Radeon RX 6950 XT 16GB GDDR6」(Radeon RX 6950 XT、 16GB GDDR6) |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ)、 Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用ドライブ) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(21H2) |
WQHDでもフレームレートが落ちない「Apex Legends」
最初に試すのは「Apex Legends」だ。画質は最高設定とし、射撃練習場における一定の行動をとった時のフレームレートを計測した。144fps制限は起動オプション(+fps_max unlimited)で解除しているが、ゲームの仕様上300fpsが上限となる。
フレームレートが一番高いのはRTX 4090 FEだが、フルHD〜WQHDまではRX 6950 XTもRTX 3090 Tiを押さえ込むなど良い仕事をしている。Infinity Cacheの有用性は十分あるといえる。しかしながら、4Kになるとメモリーバス幅256bitのRX 6950 XTは急激に失速。逆にメモリーバス幅の広いRTX 3090 FEより上のGPUが優勢になる。特に最低フレームレートにおいてその傾向が強い。
その中でもRTX 4090 FEの4Kでのパフォーマンスは次元が異なる。SERやOpacity Micromapなどの新機能がまったく意味を成さないゲームではあるが、CUDAコアとそれを支えるキャッシュ、さらにメモリー帯域等が単純に強いためだと考えられる。300fpsでキャップになるせいもあるが、RTX 4090 FEの平均フレームレートはフルHD→4Kで1割程度しか落ちていない点は驚くしかない。
負荷不足で回らないこともある
「Rainbow Six Siege」
「Rainbow Six Siege」では、APIにVulkanを選択。画質“最高”にレンダースケール100%を追加した。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
このゲームでもRTX 4090 FEが他のGPUをフレームレートで上回っているが、フルHDのみRTX 30シリーズと4090 FEの差が非常に小さい。この理由は単純に負荷不足、即ちシェーダーに割り振る仕事が不足しているからと考えられる。WQHDになると処理すべき負荷が増し、RTX 4090 FEの馬力が活かされるようになるといった感じだろうか。CPUボトルネックの可能性も残されているが、フルHDよりもWQHDのほうがフレームレートが出ている時点で、ゲーム側の問題と考えたほうがよさそうだ。
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