最新パーツ性能チェック 第382回
実はそれほど燃費は悪くない?ワットパフォーマンスも検証
既存GPUと一線を画す4Kの強さ。GeForce RTX 4090のゲーム性能を徹底検証!
2022年10月11日 22時10分更新
TBPはRTX 3090 TiのハイエンドOCモデルよりやや下
最後にNVIDIAのビデオカード用電力計測デバイス「PCAT」を利用して、ゲーム中の実TBPも確認しておこう。ただ、筆者の手元にある初代PCATは8ピンケーブル最大3本とPCI Express x16スロットからの消費電力計測が限界であるため、RTX 4090 FEに8ピンケーブルを4本接続した状態では計測できない(12VHPWRに対応したPCAT v2が存在するらしいので、ぜひ使ってみたいものだ)。すでに前回の検証において8ピンケーブル3本と4本で消費電力に大きな違いはなく、どちらもTGP 450Wで運用されることが確認できているので、妥協案として8ピンケーブル3本接続した状態で計測している。
使用するゲームはCyberpunk 2077で、画質などの条件はフレームレート計測時のものと同一だ。解像度を4KにすることでRTX 4090 FEに最大の負荷がかかるようにしている。ベンチマーク中のGPU Powerはすでにお見せした通りだが、ここではキャラを1か所(Jig-Jig Street)で静止させた時の電力なので、先のデータとは違った値が出ても何ら不思議な所はない。
これによると、TBPが最も高いのはRTX 3090 Tiだが、GPU-Z上で確認できるTGPが480Wであることを考慮すれば当然の帰結だ。ただし、Cyberpunk 2077を使った検証では常時480Wフルで出るというわけではなく、平均としては463Wという結果になった。一方、RTX 4090 FEは8ピンケーブル3本でも瞬間的に470Wを超えることもあるが、平均では426Wとなる。先に示したベンチマーク中のGPU Powerとそれほどかけ離れているわけではなさそうだ。また、RX 6950 XTの平均TBPは382Wと高く、ベンチマーク中のGPU Powerとは50W以上離れている。
これらの事を合わせて考えると、RTX 4090 FEは最大600Wで動作可能というスペックだけに眼がいってしまうが、実際に運用してみると既存のRTX 3090 TiやRX 6950 XTのファクトリーOCモデルに比べ、消費電力が極端に大きいわけではないといえる(それでも400Wオーバーは大飯食らいではあるが)。
最後に、接続する8ピンケーブルの数を変えて、Cyberpunk 2077をプレイ状態で放置した時のRTX 4090 FEのGPU温度やクロックの動きを「HWiNFO Pro」で追跡してみた。時間軸の左のほうのデータにブレがあるのは、温度などの初期条件の統一に筆者のミスがあったためだが、時間経過によって差がなくなっている点に注目していただきたい。
ゲーム中のGPUクロックは接続した補助電源が3本でも4本でも2730MHz〜2625MHzあたりで変動している。GPU温度についても66〜76℃で差がない。なお、RTX 4090 FEのクーラーの性能は十分高いが、PCケースの中には450Wなりの熱量が放出されるので、運用するのであれば十分な換気態勢を作っておきたい。
次回、クリエイティブベンチで
遂にRTX 4090 FEの真の実力が明かされる!?
RTX 4090 FEレビューは2回で終わらせようと思ったが、ここまですでに1万字余を連ねてきたため、一度ここで区切っておきたい。次回はDLSS Frame Generationのパフォーマンス、そしてクリエイティブ系アプリでのパフォーマンス検証をお届けする予定だ。
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