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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第6回

ソニー「PlayStation VR2」期待したいが、すでに課題も

2022年09月29日 16時00分更新

文● 新清士 編集● ASCII

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ソニー版「メタバース」の登場も不明

 連載のテーマであるメタバース系のタイトルについても不明です。2008年のPlayStation 3世代には、当時の「セカンドライフ」ブームを受け、1つの空間に64人が集まれることを目玉とした「PlayStation Home」というメタバースのようなサービスを展開していました。しかしあまり人気を獲得することはできず、2015年にサービスを終了しています。

 ただし現在、ソニーはメタバースを重要なサービスであると改めて定義づけています。その核となるのが「ライブサービス」と呼ばれるものです。

 ライブサービスは「持続的なサービス」という意味で、Epic Gamesの「Fortnite」や、Bungieの「Destiny」のように終わりなく続くゲームをあらわします。ソニーは今年7月にBungieを買収しましたが、Bungieからサービスを運用し続けるノウハウを吸収して、そうしたライブサービスを今後10本程度出していきたいとも話しています。

 ソニーは優れたゲームを開発する自社スタジオを数多く持っていますが、単発のゲームとして販売されるのが基本で、ライフサービスとしては展開してきませんでした。長期的なライフサービスとして展開することで、ゲームの寿命を伸ばしたり、コスト高に伴う恒常的なコンテンツ不足の解消を目指しているのではないかとも思えます。

 現時点ではユーザーのクリエティビティを取り込むような一般的なメタバース観までは踏み込んでいない印象がありますが、ソニーが今後メタバース系のタイトルを開発するとしたら、候補に挙げられるのはPlayStation VR版が発売された「Dreams」でしょうか。

 Dreamsは高機能なUGCベースで、ゲーム制作など様々なことができるユーザー向けの開発環境をパッケージとしてまとめたタイトルです。ユーザーの創造性を活かしていくとしたら方向性としてはこういうものになるのかなと想像します。

 そういうわけで、PlayStation VR2向けタイトルは大きな課題になりそうです。そもそもPlayStation 5自体がタイトル不足に悩んでいますから、初期はやはり同じ悩みを抱えることになるのではないでしょうか。PlayStation VR2は、まだ発売価格や発売時期は明らかにされていないものの、来年前半には登場すると予想しています。新しいハードの登場はVR市場の活性化につながるので、正式発売の発表を楽しみに待ちたいと思います。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。「バーチャルマーケット(Vket)」で知られる株式会社HIKKY所属。デジタルハリウッド大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRゲーム開発会社のよむネコ(現Thirdverse)を設立。VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。著書に8月に出た『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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