3月5日、筆者が代表を務めるAI Frog Interactiveとして、サバイバルクラフトゲーム「Exelio -エグゼリオ」のアーリーアクセス配信をSteamで開始しました。インディーズゲームとしてのリリースです。ゲームエンジン「Unreal Engine 5(UE5)」と、開発が始まった頃に登場した生成AI技術を使うことで、私を含めた4名の開発スタッフという小さなチームでもそれなりの規模のゲームを作れると考え、挑んだものです。アーリーアクセスとはいえ7~10時間は遊べるボリュームがあります。開発には3年かかりました。しかし、その間にも、生成AI技術はどんどん進歩し、最初の頃よりも、ゲーム開発にとって必須のものになっています。その変化を、メイキングを通じて紹介していきます。
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Exelioの開発には3年かかっています。ゲームディレクターとメインプログラマーを務めたのが、「プレイステーション・ポータブル」用の『パタポン』シリーズの生みの親でディレクター経験がある飯 淳(いい あつし)です。Exelioでは企画案から、ゲームデザイン、実装の大半をこなしています。開発チームが全員で4人と小さいこともあり、プロジェクトの開始時点から強く意識していたのが、限られた予算の中、どのように生成AI技術を効率よく使い、品質に結びつけていくのかということでした。
ゲーム開発ではUE5を使っています。数十億円のゲームも作れるフルスペックのゲームエンジンですが、複雑で規模の大きなエンジンです。大手企業がライセンス利用する場合には何十億円もかかるものですが、インディゲームライセンスがあり、サポートを受けない場合には、売上が100万ドル(約1億5000万円)を超えるまでは、無料で使えるという強力なアドバンテージがあります。インディーゲームの隆盛を支えている一因に、この要素があることは間違いありません。
そして、プロシージャル(手続き)型と呼ばれる豊富なAI機能を搭載しており、物理現象のサポート、自然物を含めた地形の設計、NPCや敵の動きのコントロール、天候による照明演出の変化など、実に多様なAI技術が組み込まれています。
しかし、UE5は巨大なエンジンで、その全貌を把握することは非常に難しく、3年間使ってきても、自分たちが使っている範囲以外はよく理解できていないというのが正直なところです。起動中、Exelio-エグゼリオは手続き型AIを多用しますが、いわゆる生成AIを動的に使ってはいません。まだ計算量の要求水準が高すぎて、NPCに話させるといったことを1つ取ってみても、一般のゲームユーザーのPC環境で動作させることが難しいためです。
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