前回、メタがフェイスブックからメタバースに軸足を移しているのは、アップルやグーグルのようなハードウェア・プラットフォームを手に入れたかったからだという話をしてきました。今回は、そんなメタがこれからどんなメタバースを作ろうとしているのかというお話です。
現実とシームレスにつながるメタバース
メタバースは現実とシームレスにつながるというのがメタの世界観です。AR、VR、MRなどは統合されるものだというイメージを持っています。なかでも現在はまだスマートフォンの存在が大きいため、メタバースとスマートフォンをシームレスにつなぐことが重要だとメタは考えています。
わかりやすいのが2021年にメタが披露した仕事のイメージです。
リモートワークをしている男性がARグラスをつけると、目の前に複数のウィンドウが立ち上がります。男性はプレーヤーで音楽をかけ、メッセンジャーで送られてきているCADイメージを展開します。こういったアプリはすべてスマートフォンやパソコンのインターフェースを踏襲しています。
デモ映像では、メッセンジャーを送ってきた相手に打ち合わせを提案し、相手がOKすると、今度は相手のアバターが目の前に表示され、打ち合わせが始まります。距離が意味をなくすということですね。そしてフォーカス(集中)モードを選べば、全画面がメタバース空間に切り替わります。
これらはまだかなり荒唐無稽なイメージですが、メタはこの世界観の実現に向けてQuestシリーズの実装を進めているわけです。
この連載の記事
-
第89回
AI
OpenAI「Sora」残念な離陸 中国勢が飛躍する動画生成AI -
第88回
AI
1枚の画像から、歩き回れる“世界”ができる 来年のAIは「ワールドモデル」がやばい -
第87回
AI
画像生成AIの進化が早すぎる 2024年に起きたことまとめ -
第86回
AI
イラストに強すぎる画像生成AIモデル SDXL系「NoobAI-XL」の衝撃 -
第85回
AI
3DモデリングにAI革命の兆し 1枚のイラストから3Dデータが完成 -
第85回
AI
誰でもVTuber時代へ フェイシャルAI技術、続々登場 -
第84回
AI
画像生成AI「Stable Diffusion 3.5」性能はものたりないが、自由度が高いのは魅力 -
第83回
AI
リアルすぎてキモい 動画AIの進化が止まらない -
第82回
AI
もはや実写と間違えるレベル 動画生成AI「Runway」の進化がすごい -
第81回
AI
AIイラスト、こうしてゲームに使っています -
第80回
AI
ゲーム開発はAI活用が当たり前になりつつあるが、面白さを作り出すのは人間の仕事 - この連載の一覧へ