今後の課題は「実在感」を高めること
ここでメタバースの映像について注意したいのは、グラフィックを高度にすることが実在感、センス・オブ・プレゼンスを増すことにつながるわけではないということです。アバターもある程度のクオリティがあれば相手を人間と認識することは可能なんですね。
Quest ProはQuest 2よりもCPUのクロック数を上げてくると言われていますが、それはあくまでも身体的フィードバックのために使われると考えられます。指先のセンシングや、空間認識(Depth情報取得)の速さ、フレームレートを高く維持することの方が、グラフィックスを豪華にするよりも実在感にとってはるかに大きな影響を及ぼすんです。Quest ProのグラフィックスについてはQuest 2と完全な互換性を保っていると考えていいでしょう。
Quest 2のフレームレートは当初72fpsでしたが、デベロッパーの選択によっては90fps、現在は120fpsまで出るようになっています。ただし、実行速度はグラフィックスが簡単な形状か、複雑かに依存するので、高いフレームレートを出すためには、今は「Beat Saber」のような軽めのアプリでないと難しいんですが。
一方、注目を集めているのが、ザッカーバーグ氏による4月の発言です。「このヘッドセットはビジネスでの使用例により焦点を当て、最終的にはノートパソコンや仕事環境を置き換えるものになるでしょう」というもので、デバイスを着けたまま仕事をすることが想定されているわけです。ARグラスの数年後の将来像として提示していたビジョンを新型VRデバイスで実現しようということなんですね。
メタは今年の開発者会議「Meta Connect」を2022年10月12日深夜2時に開催すると発表しました。おそらくQuest Proを正式に発表し、あわせてメタアバター系の企業との提携などを発表することになるのではないかと予想しています。
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