筆者は月に1回は、秋葉原の衝動買い回遊に出かける。実は3ヵ月ほど前に行ったときに、JR秋葉原駅から中央通りを横切って回遊ルートの最初のポイントあたりに位置する、浜田電機で店頭デモをしていた怪しいエレコム製の巨大な「イヤホンモチーフスピーカー」(SP-EL001CGD)というのを衝動買いしてしまった。
店頭デモで本体だけを見ていた時は、購入後いつものように秋葉原を北上、末広町で神田達磨の羽根付きたい焼きを買って2k540を通って御徒町付近まで歩いて山手線で帰ろうと甘く考えていた。しかしショップで梱包後のイヤホンモチーフスピーカーのパッケージを見た途端、今日の回遊は中止して即タクシーで帰ろうと決断した。
持ち帰って梱包を解いたが、一時的に置いておくところもすぐに見つからないサイズだ。しばらく家中で唯一何も置いていない寝室の出窓に置いた。パッケージから取り出したイヤホンモチーフスピーカー本体は、確かにデカい。実はこのイヤホン、実存するエレコムのハイレゾ対応のEHP-CH2010AGDイヤホン(販売終了)をモチーフにして、実際のサイズの6倍に拡張したジョークガジェット商品だ。
あいにく筆者はこのモチーフとなった元のイヤホンは持っていないが、筆者が長く愛用しているAKGのK3003と比較してみたが、縦横高さの全てを6倍にしたらこういう巨大なものになるというのは、感覚的に理解できた。ちなみにイヤホンケーブルの直径をノギスで測ってみたところ約7.5㎜、オンオフと音量調整のあるリモコン辺りはもっと太くて9.5㎜あった。そしてイヤホン全体では、なんと約1Kg(980g)とウルトラ重量級だ。
ガジェットの世界は、昔からウケ狙いで実用的な実際の大きさより極めて小さく作るモノと不必要なほど大きく作るモノの2方向がある。怪しいものが大好きな筆者のコレクションでも、エレキギターやレガシーなMacintosh、パレットに乗った付箋ブロック、豚まんなどが前者。普段見かけているモノより遥かに大きい鉛筆や魚の醤油さしが後者だ。
凝縮したものは、オフィスや自宅のデスクトップを飾るアイコン的アイテムになったり、なかにはある程度実用的に使えるモノも多い。しかし大きく拡張したモノは、実用度は大きくハズれ一時的なウケ狙いや目的のモノを写真撮りする時の脇役になってしまうことが、せいぜいだ。今回のイヤホンモチーフスピーカーも後者ではあるが、耳の穴に入れないイヤホンをデスクトップスピーカーとした発想の転換が、生き残れる要素に感じた。
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