でも断熱性能あんまり実用に関係ないかも説
ここまでやっておいて言うのもなんですが、断熱性能はそんなに気にしなくてもいいかも知れません。以下の見づらいグラフをご覧ください。
これはハリオのスティックボトルに140mlのコーヒーを入れ、10分おきにキャップを開けて一口飲む、そしてコーヒーの温度と残量を測ってキャップを閉める。これをボトルが空になるまで室温20℃にて繰り返した結果です。つまり朝の信号待ちでちびちびコーヒーを飲む実用を想定した実験ですが、ここから分かることは3点。
1. キャップを開けるとコーヒーの温度は下がる
2. 内容量が減るとコーヒーの温度は速く下がる
3. コーヒーの温度が下がると口に含むコーヒーの量が増える
こうした相関からコーヒーの温度は加速度的に落ちてゆき、ボトルが空になる80分後にはすっかりぬるくなっている。熱いコーヒーとして飲めるのは60℃までという個人的実感を基準とすれば、せいぜい持って40〜50分という結果です。
ではキャップを開けなければ、温度の低下はどう進むのか。仮に先の保温性能の実験で得た6時間後の温度までまっすぐ温度が下がり続けるとすれば、こんな感じです。
60℃を維持できるのは、ハリオと東亜金属は2時間まで。サーモスでも3時間まで。実際にはこんな綺麗に温度が落ちるわけもありませんが、大雑把な体感値を裏付けるものではあります。たとえば朝8時に家を出て、10時を過ぎればもうぬるい。いかにサーモスでも11時のお茶の時間が限界で、午後までは持ちません。
それでも朝の通勤中に飲むコーヒーならこれで十分。通勤時間が1時間以内なら、保温性能の差など微々たるもの。なにしろキャップの開け閉めを繰り返していれば、1時間もせずにぬるくなってしまうのだから。
じゃあ保温性能いらなくない? そんな話にもなるでしょう。想像するに、このサイズの保温・保冷ボトルを専業メーカーが今まで造らなかったのは、あまり容量が小さくても十分な性能は出せない、だから売りにくいという判断もあったはずです。
とはいえ、ちょい飲みならいけるんじゃないか。断熱性能よりちっちゃい方が便利なこともあるんじゃないか。そうした視点から新しいニーズを発掘してくれたおかげで、今までロクな使い途もなかったセンターコンソールボックスにぴったり収まるボトルが出回るようになり、私のロードスター生活も向上したわけであります。メーカー関係者の皆さん、ありがとう。それではまた。
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