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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第236回

イタリアの名門・マセラティの最速セダン「ギブリ トロフェオ」の速さは芸術的だ

2022年07月10日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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座り心地抜群の車内空間

 トランクリッドを開けると容量500リットルのスペースが姿を現します。トランクリッドは拍子抜けするほど軽い感触で、この価格のクルマでは当たり前といえるパワーテールゲート機能はありません。ちなみに、シフトをPレンジに入れないと開かないようです。リアシートの背もたれを倒したトランクスルーにも対応しますがフルフラットにはならず。これを是とするか否とするかは、リアシートに座ってから判断しましょう。ラゲッジスペースには12Vのアクセサリーソケットが用意されており、走行中に大型のポータブルバッテリーを充電可能。何気にうれしいアクセサリーだったりします。

 リアシートは、このクラスとしては足元が狭め。さらに言えばセンターコンソールにUSB端子の姿がないのが残念なところです。ですがシートの座り心地は極上! レザーの質がいいだけでなく、シートそのものの形状が実に見事。またサイドシルが比較的低めなのも好印象。これが意外と乗降時に大きな影響を与えます。イタリア大使館がギブリを公用車として使っているというのも納得です。

 イタリア車で、まして登場したのが2013年と約10年前。色々と古さを覚えることを覚悟しながらドライバーズシートへ。するとインフォテインメントディスプレイは実に高精細だし、運転支援もバッチリ用意されているではありませんか。機能面でのエクスキューズは一切なく、嘘偽りなくジャーマン3のミドルクラスと遜色ないのです。いやそれどころか、それらのミドルクラスよりも上質な室内空間。特に何か加飾があるわけでもなく、コンサバティブなデザインなのですが、素材の味を十分に引き出したシンプルな高級イタリアンといった雰囲気。つまり飽きないうえに「やっぱりイタリア車はイイナ」と陶酔の境地へといざなわせてくれるのです。

 ペダルレイアウトは一般的。ですが、フットレストがブレーキペダルに寄り過ぎている印象で、慣れるまでに少し時間がかかりそう。フットレストとブレーキペダルにはトライデントエンブレムが入っており、カッコいいと思いつつ「不肖のような者が、伝統のエンブレムを踏んでいいのか?」とも。

 ステアリングホイールはかなり大きめ。シフトパドルはステアリングホイール側ではなく、ステアリングコラム側に取り付けられています。ステアリングホイールの裏側には、オーディオコントロール系のボタンが取り付けられていました。そのステアリングコラムですが、なんとワイパーの操作レバーがない! というのもウインカーと一体化されているのです。おかげで「ウインカーをつけようとしたらワイパーが動いた」という、輸入車あるあるは回避されました。個人的にこの仕様はスッキリしていてイイと思った次第です。ちなみにライトは右手下側にあります。

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