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石川温のPCスマホニュース解説 第143回

au通信障害 iPhoneとAndroidで違いが出た理由

2022年07月08日 09時00分更新

文● 石川温

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KDDIはどこかではっきりした説明を

 実際、KDDIの通信障害では、ルーターなどデータ通信しかしないものは被害を受けていなかった。

 今回、IoT機器は150万回線、通信障害の影響が出たと報告されている。しかし、KDDIが抱えるIoT機器の回線数は国内で1500万回線、海外で100万回線、合計で1600万回線存在する。

 髙橋社長は「150万件というのは、音声通話が止まったことでSMSも止まってしまい、SMSを使うIoT回線が影響を受けたということになる。たとえば(SMSを使わない)スマートメーターは影響を受けていないということになる」と説明するのだ。

 もちろんiPhoneもSMSに対応するが、iMessageも利用できるためモデムの挙動がAndroidとは異なるのかもしれない。

 いずれにしても「iPhoneが障害時でも通信ができていたのは、モデムがアプリケーションプロセッサと別だったから」というのは、Androidメーカー関係者が立てた「仮説」である。

 ただ、Androidメーカーとすれば「通信障害時はAndroidよりもiPhoneのほうがつながりやすい」なんてという変な評価が成立してしまうのは、正直困ってしまうことだろう。

 果たして「なぜ、通信障害時にiPhoneはデータ通信が維持できたのか」という点について、KDDIにはどこかのタイミングでハッキリと説明してもらいたいものだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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