日本ではまずお目に掛かれないスマホが
海外では出会える
一昔前までなら海外に行くと名前も知らないメーカーのスマートフォンが売っており、それはそれで宝探しのような楽しさがありましたが、最近は大手メーカーの力が強く、マイナーメーカーはどんどん淘汰されています。しかし、海外ではまだ無名メーカーのスマートフォンを集めて売っているようなエリアがあります。たとえばバルセロナにある通称「スマホ通り」にはメジャーメーカーの昔の製品やら、マイナーメーカーの端末が豊富に売られています。今回は5月に当地を訪れたITジャーナリストの富永彩乃氏に、謎メーカーのスマートフォンやタブレットを探してきてもらいました。
スマホ通りにはスマートフォン専門店が10数軒並んでいます。品ぞろえは店によりまちまちですが、マイナーメーカーばかりを扱っている店もいくつかあります。製品の詳細は不明。そもそも数年前の古い製品も混在しているため、価格である程度判断するしかありません。なお「スナドラ800番台は必須で、カメラは5000万画素は欲しい」なんてスペック重視の人が来る場所ではありません。よくわからない、謎な製品に興味のあるようなマイナー好きの楽園なのです。
とはいえマイナーメーカーの中にもメジャーどころはいくつかあります。たとえばタフネス端末や小型端末を出していたCUBOTの名前は知っている人もいるかもしれません。しかし、CUBOTの端末が話題になったはだいぶ前で、最近はあまり聞きません。売られていたモデルも2年前の「X30」や1年前の「Note 9」など。今となってはスペックは低く、コレクター向けアイテムといったところでしょう。
またSwisstoneはヨーロッパで格安スマホを展開しており、家電量販店などではよく見かけます。Ulefoneは中堅メーカーとしてAliExpressなどでおなじみ。ですが、その間に並べてあるMDCや、後ろの箱のInnjooなどは素性がさっぱりわかりません。東欧やアフリカあたりで売られているのでしょうか?
カラフルなスマートフォンはBundy。調べてみるとフランスドメインのURLが見つかるので、フランス発の格安系スマートフォンでしょうか。表示されているスペックを見るとメモリーが1GBや2GB、バッテリー容量も少なく、ちょっと前の製品と思われます。
Qubo X626は検索すると現行モデルのようです。スペインでも正規に売られているようですが、家電量販店などに並んでいるのでしょうか?
さらにX-AGE。とにかくマイナーすぎて詳細はわかりません。
ほかには謎のタブレットも売られていました。Modioというメーカーで、モデルは数種類あります。カメラ周りのデザインを今風のスマートフォンっぽくしているのはちょっと斬新かも。質感は安っぽくカメラの性能も低いでしょうけど、ちょっと気になる存在です。
背面デザインをさらにカッコよくしたモデルもあるなど、Modioは頑張っているようです。でも実用性は低そうですね。
これらのマイナースマートフォンやタブレットはほとんどが中国・深センで作られています。深センに行けばこの手の製品を見ることができると思いきや、マイナーメーカーの問屋の実店舗も規模を縮小しており、オンラインでしか探せないような状況になりつつあります。筆者が深センに行ったのは2019年12月が最後で、今はもうこの手の製品を扱う問屋もなくなってしまっているかもしれません。
バルセロナのスマホ通りも年々ちゃんとした製品が売られるようになっており、メジャーメーカーの一昔前の製品や、Redmi、realmeなど元から低価格なモデルを売る店も増えています。ちゃんとしたものが売られるというのはいいことですが、海外で知らないメーカーのスマートフォンに出会う楽しみというものも旅のだいご味だったりします。来年、2023年の2月にはMWC取材でバルセロナを3年ぶりに訪問する予定ですが、その時までに今回見つけたマイナー端末が残っていてほしいなと思うところです。
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