脳内イメージが可視化できる? 期待したいIoT、AIスタートアップ5社
第47回NEDOピッチ「IoT、AI Ver.」レポート
AI/IoT技術で太陽光発電所の再生サービスを行う
ヒラソル・エナジー株式会社
日本国内には数多くの太陽光発電所が稼働しているが、そのうちの2割弱は本来発揮すべき性能の8割以下で運転している。ヒラソル・エナジー株式会社は、このような非効率な運用を行っている太陽光発電所に対してAI/IoT技術を適用し、発電性能を最適化するワンストップサービスを提供している。
ヒラソル・エナジー社のサービスは、まず独自開発のIoTセンサーを太陽光パネル1枚ごとに取り付け、パネル単位での動作状況を把握する。そこから得られてデータにAIによる解析を適用することにより、太陽光パネル単体からシステム全体までの不具合を発見する。
続いて得られた解析結果に基づいて発電所の再生計画を作成し、その修繕効果を自動計算する。この時の再生計画には不良パネルの交換、パネルの配置変更、配線の変更などが含まれる。例えばパネル交換、パネルの再配置、配線変更によって約30%の発電量改善が得られた事例もある。
この性能評価から再生計画の立案・実施までを含むワンストップサービスは、契約から3~4か月の工事期間を要する。初期費用はゼロであり、再生計画実施後の発電量増加分による収益上昇分を10年間プロフィットシェアする契約となる。もともと発電効率が芳しくなく、手元資金に余裕のない太陽光発電事業者にとっては、やりやすい料金体系となっていると言えるだろう。
世界中で求められているカーボンニュートラル達成のためにも、太陽光発電の活躍の場がより拡がっていく必要があるし、それには太陽光発電がより収益性の高い事業になっていかなくてはならない。ヒラソル・エナジーのサービスを活用すれば、運転効率の低い太陽光発電所は一掃されるだろう。
さらに、既に採用された事業者からのデータの蓄積も進んでおり、発電から配電、蓄電などを含む電力網全体の最適化も視野に入れた研究・開発に取り組んでいる。そこで得られたノウハウは日本だけでなく、グローバルに通用するものとなるだろう。日本発の太陽光発電事業モデルを引っ提げて、ヒラソル・エナジーが世界にその価値を示す日を楽しみにしたい。