須賀川南部地区エリアプラットフォーム「ウォーカブルな中心市街地を形成するための人流分析および購買・消費分析」
GPSとキャッシュレスデータで地方都市を分析、公共・ビジネス課題が見えた福島県須賀川市
キャッシュレスデータで消費傾向を可視化
消費傾向の把握には、SMBC三井住友カードが提供するVISA・マスターカード、iDでの「キャッシュレス決済」のデータを利用した。
全体の傾向としては、性別では男性の利用が多く、年代別では男性は60代、女性では40代が最も多い。居住地別にみると、須賀川市を含む福島県で85%を占めていることがわかった。また、季節別では秋が最も多く、冬が最も少ない。エリア別の消費傾向も可視化できており、旧市内地域と新市内地域で多く、エリアによる利用業種での差がわかった。
須賀川南部地区エリアの分析
続いて、今回の対象地域である須賀川南部地区エリアの分析結果が発表された。須賀川南部地区エリアの滞在者は男性40代、女性は60代が最も多い。さらに細かくエリアを分けて回遊状況を見ると、平日は八幡エリア、休日は池上エリアの滞在者数が多いことがわかった。八幡エリアには市役所があり、池上エリアには市民交流センターtetteと翠ヶ丘公園がある。なおtetteは震災復興の際に市民交流の拠点および中心市街地の再生・活性化の中核として整備された施設で、円谷英二ミュージアムも併設している。
南部地区の交通手段の把握と分析にもGPSを利用した。線路上の1点を通過し、駅付近で観測されたユーザーは電車利用者として判定、移動平均速度が時速15キロ以上のユーザーを自動車利用、そのほかを徒歩として判定している。結果、徒歩が多いことがわかり、ウォーカブルな街としてのポテンシャルはあると考えられる。
また、須賀川市全体と同様に、旧市内地域におけるキャッシュレスデータを使った消費傾向、人流データや施設情報を合わせて分析。40代の男女と60代男性が商業施設に多く回遊し、消費をけん引している傾向が見て取れた。
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