"死にゲー"を生んだフロム・ソフトウェアの最新作

Xbox版はゲームの再開が最強に快適!?『ELDEN RING』プレイレビュー、高難度アクションと広大な世界に圧倒!

2022年03月29日 11時00分更新

文● イチえもん 編集●ASCII

挑む価値のある難易度

 エルデンリングの次なる魅力は、骨太な難易度だ。"死にゲー"の代名詞というべきダークソウルシリーズの系譜を継いでいるだけあって、本作もまた一筋縄ではいかないレベルだ。とはいえ、"鬼畜"というほどの難しさではなく、装備の拡充とレベル上げ、そして努力次第では勝てる仕様になっている(と思われる)。

ソウルシリーズと同様、本作の難易度は高めで、同じ敵に何度もやられることも少なくない

容赦なくプレイヤーに襲いかかってくる敵たち。ボスやそれ以外の敵に何度打ち負かされ、何度この画面を見ただろうか……。いやはや計り知れない

 ダークソウルシリーズと同じく、ゲームオーバーになると獲得したルーンはすべて喪失してしまう。完全に喪失というわけではなく、やられた場所に戻ってルーンを回収すれば問題はない。だが、ルーンを回収できずにやられた場合は完全に喪失し、最初から獲得しなければならない。

ルーンは、装備の購入と能力値(ステータス)の強化に必要なアイテムだ。敵の戦闘に敗れるとルーンは喪失してしまう

 「なんてシビアなゲームなんだ!」と思う人も少なくないだろう。その気持ちは痛いほどわかる。だが、このデスペナルティーこそ本作における面白さのキモなのだ。喪失を何度も繰り返して強敵を討伐した瞬間、とてつもない達成感が味わえる。難問を自力で解き明かしたような気持ちよさが、心の底から湧き上がってくるのだ。そういう意味では、高難易度+デスペナルティーは挑戦し甲斐のある二大要素だと感じられる。

戦略性がより豊かになった戦闘システム

 基本的な戦闘スタイルはダークソウルシリーズとほぼ変わらないが、これまでよりも戦略が豊富になっている点もポイントだ。武器も魔法も種類が豊富なので、これらを強化すれば敵を圧倒することも不可能ではなくなる。戦うことも大事だが、武器やステータスを強化することも大事だ。

生死を分かつ戦闘。一瞬の油断もできぬほどの緊迫感に襲われる

 本作をプレイした際、「戦技」「霊体」「ステルス」が印象に残っている。

 戦技は、敵の攻撃をはじいてカウンター攻撃を加える「パリィ」や「回転斬り」、「キック」など、戦闘を有利に進めるための特殊スキルだ。本作では「戦灰」というアイテムを武器に付与することで、あらゆる戦技を発動できる。大概の戦技は「FP」のゲージを消費するものが多いものの、使い方次第では不利な状況に活路を見出してくれる。

「戦技」は本作に導入された新要素で、多彩な特殊スキルを発動できる

 霊体は、プレイヤーの戦闘をサポートしてくれる幽霊だ。「霊灰」と呼ばれるアイテムを装備すると利用でき、召喚する際はFPを消費する必要がある。筆者は、ボスの隙を作るために囮として使っている。霊体を倒すことに夢中なボスの背後に近づき、「隙あり!」と攻撃しまくるといった具合だ。ずいぶんと酷な戦法だと思うかもしれないが、勝てればいいのだよ勝てれば……。

アンデット兵や狼などの「霊体」を召喚できる。ある素材を使えば能力の強化ができる

 一番印象に残っているのはステルスだ。これまでは戦うの一択だったが、本作は戦うか隠れるかの二択が用意されている。新たに「しゃがむ」アクションが導入されており、草むらに身を隠す、敵の背後にこっそり近づいて倒す。敵との戦いを避けるといったことが可能だ。

草むらに隠れている様子。敵から身を隠し、背後から致命的な一撃をお見舞いしよう

 霊馬の件もそうだが、逃げるという選択肢が加わったことで死のリスクが減った気がする。従来作は「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ! 戦え、戦え、戦え!」のスパルタ精神だったが、本作は「無理して戦わなくてもいいんだよ」といった、フロム・ソフトウェアの優しさを感じるに至った。

 装備やステータスの強化に加え、これらのテクニックを駆使して強敵に立ち向かうことになる。そのほかにもプレイヤーの一助になる要素もあるが、詳しくは本編をプレイしてほしい。

 当然ながら本作の難易度は高めなので、最初は何度も力尽きることだろう。だが、豊富な戦略に加えて、協力NPCやオンライン協力プレイなど、プレイヤーをサポートする救済策も用意されている。決して生易しいゲームではないのは確かだが、自身の実力で強敵を打ち負かす快感を味わってもらいたい。

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