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ユーザックシステムのRPAで実現した業務自動化の事例 第16回

販売だけでなく受託開発もできるWin-Winのパートナー

山形の地元密着型ITソリューション企業のメコム なぜRPAはAutoジョブ名人を推すのか?

2022年02月24日 11時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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月5万円の人件費で換算して顧客の業務を自動化へ

 メコム DX推進ユニット チーフ 安部 晃史郎氏には具体的なユーザー事例も教えてもらった。ある通販業者では、Webサイトで受けた受注情報の登録やデータチェック、送り状の発行、発注元へのFAXの送信までAutoジョブ名人が担っており、顧客の生産性向上につながっているという。

 この通販業者は従業員が全員女性で、子育て中のママのため、柔軟な働き方については喫緊の課題だった。折原氏は、「コロナ禍でテレワークが必要になり、お客さまもやり方を模索していました。そこで、弊社の1階に設置したテレワークセンターにあるAutoジョブ名人のデモ環境を見て、うちの会社だったらこう使えるんじゃないかというヒラメキがあったようです」と折原氏は語る。

メコム本社の1階はテレワークセンターとして顧客に最新ソリューションを展示している

 前述した5万円の人件費で自動化できる作業という観点で、充分納得した通販業者は即座にAutoジョブ名人を導入。「ユーザックシステムのカスタマーサクセスと同じような考え方が弊社にもあり、スクリプト開発からお客さまが使いこなすところまでサポートさせていただきました。これがとても評価されました」と和田氏は語る。この機械メーカーからも「この業務を自動化できないか」という相談も定期的に持ちかけられているという。

 また、製造業である県内の機械メーカーでは、今まで手書きだった作業記録をAI-OCRでテキスト化し、それをAutoジョブ名人でシステムに入力する仕組みを構築した。さらに、メコム自身もAutoジョブ名人の活用を進めており、内勤の女性社員が担当する業務を自ら自動化することに成功している。「自動化で捻出した時間で、補助金の申請業務や請求書の電子化など、よりクリエイティブな業務を担ってくれています」とのことで、その取り組みをYouTubeも配信しているという(「2021版 ” メコムRPA プロジェクトM ”」)。

 さらに大型案件として、コンペを勝ち抜き、県内の大学への導入も決めた。「大手RPAとの数社コンペ。お客さまも正直Autoジョブ名人を知らなかったので、まずは認知してもらうところからスタートだったのですが、最終的には弊社がスクリプトを開発できる点を評価いただき、受注に至りました」と折原氏は語る。構築・運用はこれからだが、こちらもスクリプト開発はメコムが担い、まずは財務会計処理の自動化からスタートしていくという。

RPAの使い道を模索するユーザー企業 事例や活用手段で支援を

 このようにAutoジョブ名人を用いたRPAの事例は確実に増えているが、メコムとしてもまだまだ件数としてはそれほど多くないのが現状だ。この背景としては、やはりRPAやロボットの理解が進んでないという現状がある。

 「人間の業務を代替してくれるソフトウェアロボット」といって、イメージが沸く人はまだまだ多くない。これは地方だからという話ではなく、中小企業のITリテラシーはおしなべて同じような状況だと考えられる。「RPAの話をしてピンと来る人は、山形の企業でもやはりIT部門の方に限られるという印象です。うちには(機械にできるような)ルーティンワークなんてないとおっしゃる方もいます」と折原氏は語る。

 しかし、一皮むいてみれば、業務に対する不満を抱える現場は多い。「うちの会社でもそうだったのですが、『実はこんな単純な作業やりたくない』『本当はこういう仕事をやりたいのに』という声が実務担当から上がることも多いんです。そういった人が見つかると、案件が前に進む場合もあります」と折原氏は語る。

メコムでもリモート会議を積極的に導入し、顧客への導入にノウハウを活かしている

 最後にユーザックシステムへの期待や要望、パートナーシップの形について聞いた。

 安部氏は「お客さま自身も自動化したい業務は必ず持っているのですが、どうやって自動化したらよいかわからないという悩みをお持ちです。そういったお客さまに対して、ユーザックさんからの事例や活用法を見せていき、お客さまの業務の効率化やビジネスの拡大につなげていきたいです」と語った。

 和田氏は、「従来は部分的な最適化が多かったのですが、全体最適のために真の生産性向上を目指すには、お客さまの業務を全体的に洗い出して、当社と課題を共有することがとても重要だと考えています。そのため、地元のパートナーとしては、メーカーであるユーザックシステムからも情報をいただき、事例や業界動向などをお客さまと共有すれば、より課題解決に向けたRPAの導入がもっと進むと考えています」と語る。

 折原氏は、「山形県内の企業の約2割が業務の自動化に前向きに取り組んでいきたいという民間の調査もあります。ニーズは確実にあるのです。だから、ユーザックシステムの技術力やRPA以外の製品、ソリューションまでうまく組み合わせて、お客さまのDXにつなげていきたいと考えています」と語る。

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