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第16回 ユーザックシステムのRPAで実現した業務自動化の事例

販売だけでなく受託開発もできるWin-Winのパートナー

山形の地元密着型ITソリューション企業のメコム なぜRPAはAutoジョブ名人を推すのか?

文●大谷イビサ 編集●ASCII

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 山形市に本社を構えるメコムは「もっと身近にDXを」を旗印に、地元企業や自治体、学校などのIT化を手がける。そんなメコムがRPA製品としてユーザーへ導入を進めているのが、ユーザックシステムの「Autoジョブ名人」だ。メコムはなぜAutoジョブ名人を選定したのか? 地方のIT化の現状や導入状況などもあわせて聞いた。

メコム DX推進ユニット チーフ 安部 晃史郎氏(左)、執行役員 折原 栄領氏(中央)、マネージャー 和田 吉史氏(右)

「RPAってよく止まるんだよね」という同業の声

 昨年で創立75周年を迎えたメコムは、山形市に本社を構える地元密着型のシステムインテグレーター。古くから事務機器を扱っていたこともあり、ITツールのみならず、PCや印刷機、タブレットなどハードウェアまで導入・運用できるのが強み。山形県内の企業や自治体、学校を中心に、ソフトウェア、バックオフィス、基幹システムに至るまでワンストップで提供し、DX化を強く推進しているという。

 そんなメコムがRPAの導入に乗り出したのは今から約5年前。「顧客の働き方改革を支援する」という経営方針が明確に示されたことがきっかけだ。とはいえ、当初提案していたのは、勤怠の管理や残業時間の削減などメインだった。当時の状況についてメコム DX推進ユニット 執行役員 折原 栄領氏は、「これら法制度や労基対応のシステムで、お客さまの課題は解決できるのか?という悩みがありました。お客さまの生産性向上に寄与できなければ、真に役に立っているとは言えないのでは?という社長の話もありました」と振り返る。

 顧客の生産性向上にいかに寄与すべきか? メコムがたどり着いたのが、RPAとAI-OCRだ。「生産性を向上させ、あらゆる業種・業務で課題となっている働き手不足を解消するためにはRPAとAI-OCRをやっていく必要があると感じました」と折原氏は語る。しかし、ここでネックになったのが、RPAの価格と安定稼働だ。

 メコムもRPAやAI-OCRといった製品には注目していたが、安定して稼働するRPA製品は年間の利用料が100万円は超え、対象とする顧客のコスト感にフィットしなかった。一方で、低廉なRPA製品は画像や座標でパーツを認識する精度がイマイチ。画像や座標で画面のパーツを認識するタイプのRPAは、ユーザー側でモニターの解像度やブラウザの設定を変更するだけで動作できなくなることも多かったという。「同業の人たちと話す機会があったのですが、『RPAを自分のデスクトップで動かしているけど、よく止まるんだよね』という話は聞いていました」(折原氏)という状態だった。

安定稼働に期待 ユーザックシステムも「信頼に足る会社」という評価

 試行錯誤の末、ユーザックシステムのAutoジョブ名人を取り扱うことにしたのは、約3年前だ。決め手になったのは安定動作するという点だった。「最初にデモを見たとき、タグ解析で安定して動作するという点に感銘を受けました」と折原氏は振り返る。

 価格的にも安価で、県内の中小企業でも検討できるという点もメリットだった。メコム DX推進ユニット マネージャー 和田 吉史氏は、「Autoジョブ名人は年間で60万円なので、充分検討できる価格。1ヶ月5万円の人件費で作業を自動化できるか、できないかというポイントでプレゼンさせていただき、納得していただけるお客さまも多いです」と語る。

 また、メーカーであるユーザックシステムに対しても、パートナーシップを組むのにふさわしいという印象を持っていたという。「ずいぶん以前から業務の自動化に取り組んできたので、さまざまな知見やノウハウをお持ちになっているし、メールやEDIにも強かった。弊社といっしょに課題解決に取り組んでくれるユーザックさんは、信頼に足る会社だと思いました」と折原氏は語る。

 ユーザックシステムとしてもメコムとのパートナーシップはWin-Winだったという。ユーザックシステム 執行役員 RPA事業担当 矢吹 政之氏は、「メコムさんは自社内で受託開発の体制を持っているので、販売だけでなく開発パートナーとしても期待しています。われわれが必ずしも得意としていない文教や官公庁に強いのもありがたいです。お互いに組むメリットが大きいと考えています」と語る。

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