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業界人の《ことば》から 第471回

通信だけでは要望に応えられない、変化するNTT東日本の本業

2022年02月14日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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 また、ここでは、企業ごとの専用機能の実装や、大学や金融機関などとの連携も図る。

 すでに、清水建設が、建物OSである「DX-Core」を活用し、監視カメラやエレベータ、自動ドア、空調をロボットと連携させた建物の運用、管理に取り組んでいるという。

 そのほか、NTT e-City Laboでは、デジタル技術を活用することで、農業未経験のスタッフでも、週休2日で、おいしいトマトを作れる栽培への取り組みや、JA全農との連携による遠隔農業指導の実験、フードロスの課題解決に向けた超小型バイオガスプラントの実験、世界初となるベニザケの陸上養殖の事業化への挑戦、手ぶらで決済が可能な非接触型スマートストアの実証実験、ローカル5Gを活用した自動運転の取り組みなどを行っているという。

 さらに、「ローカル5Gは、中小企業のDX推進に役立たせることが大きな課題だが、コストが高く大企業が対象になっている。NTT e-City Laboでは、5Gコアを共有する実証実験を行っており、これが、中小企業がローカル5Gを導入する際のコスト負担の軽減につながるのではないかと考えている」とする。

 NTT東日本では、2022年春には、ローカル5Gをマネージドサービス「ギガらく5G」を提供。ネットワーク設計から電波の免許取得、構築、運用、サポートまでをワンパッケージ化し、専門知識がなくても導入ができ、5Gスタンドアロン環境を、月額30万円程度から利用できるようにするという。

 「ローカル5Gをマネージドサービスによって、中小企業のDX推進につなげたい」とする。

 NTT東日本の井上社長は、「地域の課題解決に向けた取り組みを通じて、持続的な発展が可能な地域循環型社会の実現を目指す。今後も、地域の方々と議論を深めながら、地域ごとに、具体的で実践的な取り組みを進めていきたい」と語る。

 同社では、地方銀行や信用金庫との連携を強化し、コロナ禍での中小企業支援体制の維持し、地域の社会課題解決に向けた取り組みを進めていく姿勢を示しているほか、2022年1月31日には新たな子会社として、NTT DXパートナーを設立。NTT東日本グループや研究所が持つ豊富なDXノウハウと技術も活用し、地域のDXを加速し、ビジネスモデルの変革、新規事業の創造、地方創生の実現に役立つことを目指すという。

 さらに、地域の企業のDX人材の育成を支援するための人材育成プログラムの提供も行い、「NTT東日本がスキル転換を図ったノウハウを提案できる」とする。

 NTT東日本の非通信分野への取り組みは、ますます加速することになりそうだ。

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